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大須賀
護法童子

 

p r o f i l e
 

 

 

 

 

 

 

「見ろ! あそこを飛んでいくあの甲羅のようなものは何だ!」
「おっ、あれはガメじゃないか!」
「本当だ、ガメだ! ガメが空を飛んでいるんだ!!」
「子供たちの味方、ガメだ」
「とんがった形の怪獣とよく闘うガメだ」
「すごいなあ、どこから飛んできたんだろう?」
「あっ、見ろ! 大空で、ガメが回転をはじめたぞ!」
「本当だ。足を出すための甲羅の穴からジェット噴射をしているぞ!」
「映画で見たのといっしょだ。すごいなあ」
「どんどん速いスピードで回っているぞ」
「映画よりもたくさん回っているなあ」
「あっ! 今度は回転のスピードをゆるめようとしているぞ!」
「本当だ。逆方向にジェット噴射をしている!」
「すごいなあ、どんどん回転のスピードがゆるまるぞ」
「おお、ついに回転がぴったり止まった」
「すごいなあ、次はどうするんだろう」
「足か首でも出さないかなあ」
「首を出さないで足だけ出したら、変なかっこうだろうなあ」
「そんなこというなら、足を出さないで首だけ出しても変だぞ」
「それをいうなら、何にも出さないで甲羅だけ飛んでいるのも変だあ」
「あっ! 今度は向こうの方に飛んでいくぞ!」
「本当だ! すごいスピードで飛び去っていくぞ」
「おーい、ガメ。どこへ行くんだあ」
「おお、マッハの速度でどんどん飛び去っていく」
「さすがマッハ。もう影も形も見えなくなったぞ」
「すごかったなあ、ガメ」
「本当にすごいなあ。でも、いったい何しに来たんだろう?」
「ありがとう、ガメー」
「また来ておくれー」