e c r i t u r e s


text/まだ いまだ

前略 『秘密』につきましては『本の雑誌』誌上で
結構話題が載った時期がある。
北上次郎氏(目黒考二氏)はリドルストーリーとしての
秘密を評価すると書いていた。逆に言うとそうでなければ
この作品を評価しない、と。
しかし同誌上で池上冬樹氏が作者本人に確認した(^^;)
処、東野氏は「どんでん返しです」と答えた由。
どんでん返しという事はやはり娘は妻であった、と
いうことなのだと思うのだが、それであると憑依説の
影が薄くなる様な気がする。
どちらかというと読者はどちらでもいい派が多い様な
気がするし、小拙自身もそういう気持ちがある。
ただし、作者自身が妻だったんだ、といっている以上
は娘の意識は妻で、その妻が娘の身体を借りて再婚
したことになる。という悲劇なのだが、それであれば
妻は最初から夫の前では娘になった振りをするくらい
ならば指輪の事も隠しとおさなければならないことに
なる。
小拙はエンゲイジリングをはめていないので何を
云う資格も無い様なものではあるのだが。。
遅ればせながら、取り急ぎ。

謹言