しおなかが痛くなってもどれがあたったのかわからないわね」
「じゃあアタシがソーセージと煮物を食べるから鴫子ちゃんがサバと煮物を食べれば?」
そのあとのコマに
雁子だけ痛くなった場合 ソーセージが悪かった
鴫子だけ痛くなった場合 サバが悪かった
ふたりとも痛くなった場合 煮物が悪かった あるいは煮物とソーセージが悪かったあるいは……
と、数学の「集合」で習ったベン図が用いられるのである。
この佐々木倫子のインテリっぽいところが好きな私は、そこに一番魅力を感じるのだけれど、件の『動物のお医者さん』では、学科の多くの人は理系に光が当てられたこととか動物のかわいさに話が弾んでいた。けれど、あのマンガで一番面
白いのは、ハムテルと二階堂の会話だろう。最近の佐々木倫子は綿密な取材に基づくであろう(あるいは原作のある)青年誌連載が主だが、『林檎でダイエット』は作者自身の体験からの作話であろうことが『林檎でダイエット』に収録されているミニマンガによってわかる。思うに『動物のお医者さん』以降の佐々木倫子はその画力の高さ故、緻密な背景や機材を描くことが楽しくなったのではないだろうか。
ファンとしては、雁子/鴫子姉妹のシリーズ第2弾!を望んでやまないのだが……(単行本巻末に第1弾!とあるので、待っていたのだが……)。(高梨・H・晶、01/1/29号)
▲このページの先頭へ
|