1938
日本、国家総動員法が公布される。ドイツ、オーストリア併合、ズデーテン併合、チェコ解体。サルトル「嘔吐」。ジョン・ケージ「プリペアード・ピアノ」。
001 ベニー・グッドマン
Benny Goodman
1938 カーネギー・ホール・コンサート
Carnegie Hall Concert(Columbia)
シング・シング・シング(ウィズ・ア・スウィング)なんちゃって。ホント、ベニー・グットマンたら、スイングしてますよね。ジャズの楽しさが詰まった贅沢な1枚。1家に1枚の愛蔵盤といえましょう。(W)

1939
フランコ、スペイン内乱終結。ドイツ、ポーランドへ侵入。第二次世界大戦はじまる。グレン・ミラー「ムーンライト・セレナーデ」。
002 ビリー・ホリディ
Billie Holiday
1939/44 奇妙な果実
Billie Holiday(Commodore)
永遠の名盤。ストレンジ・フルーツは、ブラックミュージックを語る際、避けては通れない1曲。持っている人は手放さないように。探検隊垂涎の1枚。(W)
この企画のためにLP棚をゴソゴソと探し始めたが途中で出てきたUB40の"奇妙な果実"でお茶をにごした私。あ、ま、これでもレディの歌は思い起こせる。それにしても紙ジャケが欲しいよぉ(LPはどこいったんだ。S)

1940
チャーチル挙国一致内閣。日独伊三国同盟。ヘミングウェイ「誰がために鐘はなる」。

1941
独ソ開戦。日本、真珠湾を攻撃。日米開戦。太平洋戦争はじまる。(1941〜1943)デューク・エリントン、ビリー・ストレイホーン「A列車でいこう」。H.シュルツェ「リリー・マルレーン」。

1942
日本軍、マニラ、シンガポール占領。ミッドウェー海戦。ソ連軍、スターリングラードで反撃開始。グレン・ミラー、初のゴールドディスク(100万枚以上)受賞。

1943
日本軍、ガダルカナル島から撤退開始。サルトル「存在と無」、バタイユ「内的体験」。米国、フランク・シナトラの人気上昇。

1944
連合軍、ノルマンディ上陸作戦に成功。パリ解放。ブレトン・ウッズ協定。連合国が戦後の経済問題を協議。ボルヘス「伝奇集」。

1945
ヤルタ会談。ポツダム宣言。広島、長崎に原爆投下。日本、無条件降伏。チャーリー・パーカーのコンボ、ビ・バップの演奏形式を確立。日本で「りんごの歌」流行。

1946
第1回国連総会。朝鮮半島分裂。GHQ、日本国憲法の草案作成。イブ・モンタン「枯葉」ヒット。

1947
対ソ封じ込め政策、マーシャル・プラン発表。国連、パレスチナ三分割案採択。コミンフォルム結成。米ソ対立鮮明に。GATT(関税、貿易に関する一般協定)に23カ国が調印。ルイ・アームストロング、オール・スターズ結成。笠置シズ子「東京ブギウギ」ヒット。
003 チャーリー・パーカー
Charlie Parker
1947/48 メモリアル Vol.1
Memorial Vol.1(Savoy)
パーカーから1枚を選ぶのは至難の技。ここは取りあえず、サヴォイ時代の代表的なセッションを収めた本作を選んでおこう。このほか、同じサヴォイのインモータル・チャーリー・パーカーや、ヴァーヴ盤のナウズ・ザ・タイムもファン必携。ダイヤル盤のアルバムの紙ジャケ化も望む。(W)
1952/53 ナウズ・ザ・タイム
NOW'S THE TIME(Verve)
パーカーの1枚がなんでこれだ!?、とお叱りをうけそうだが、巷間絶頂期といわれるサヴォイやダイアル時代は、初めて聴く人にとっては音質的につらい。ツェッペリンをブートのライブから聴き始めるようなもので、確かにそっちの方が凄いのだが、はなはだとっつきが悪い。しかも名演・名セッションは数々あれど、名"盤"となるとウーンって感じだ。
このアルバムはとにかくカルテット編成でまわりがガチャガチャいってないのがいい。音質もかなり良く、のっけから怪物アルトの音にKOされる。
特に後半のセッションは、共演していたアル・ヘイグが"パーカー最高のアルバムだと感じた"という代物。
ま、それはともかく間口の広さで選ぶなら(あえて批判を覚悟で)これです(s)

1948
第1次中東戦争。(1948〜1949)ベルリン封鎖。朝鮮民主主義人民共和国成立。カラヤン、ウィーン楽友協会の指揮者に。マイルス・デイビス9重奏団、「クールの誕生」の歴史的録音。

1949
NATO(北大西洋条約機構)結成。中華人民共和国成立。主席に毛沢東。レヴィ・ストロース「親族の基本構造」。LP盤登場。「青い山脈」「銀座カンカン娘」ヒット。
004 バド・パウエル
Bud Powell
1949/51 ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.1
The Amazing Bud Powell Vol.1(BlueNote)
「ウン・ポコ・ローコ」は何度聴いてもよい。ちなみに私は2テイク目が好き。しかし、このアルバムはジャズの初心者には勧めるのはどうかなぁ。のっけからいきなり3回続けて同じ曲入ってるからねぇ。いたずらな私はこれを勧めるのであった....。(W)
パウエル初めての方はvol.2からどうぞ。でもやっぱり最高傑作は「ジャズ・ジャイアント」(Verve)。A−1はプログレのようだし、後半の超絶バラード・プレイはイングヴェイ・ファンにもお勧め。これが紙ジャケ化されない限り他は暫定にしときます(s)

1950
米国で、マッカーシー旋風。朝鮮戦争はじまる。(1950〜1954)ニューヨークにバードランド開店。
005 リー・ワイリー
Lee Wiley
1950/51 ナイト・イン・マンハッタン
Night In Manhattan(CBS)
1930年代に登場した白人女性ジャズ・ヴォーカリストのうち、ミルドレッド・ベイリーと並び、永遠の憧れのまととなっているワイリー。素晴らしいジャケとともに聴く人を50年代のマンハッタンの夜にいざなってくれます。気軽に聴けて奥が深い。いいなぁこういうアルバム。(S)

1951
サンフランシスコ対日講和条約。日米安全保障条約調印。サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」。大野一雄 舞踏の公演をスタート。
006 デューク・エリントン
Duke Ellington
1951 ハイ・ファイ・エリントン・アップタウン
Hi Fi Ellington Uptown(Columbia)
エリントン楽団のものは、ほかにも色々あるが、私などは天気のよい日曜日には、サイドワインダーで目覚めの体操を行い、サキコロで気合いをいれ、このアルバムの「テイク・ザ・A・トレイン」で一方的に調子に乗って家を出るのである。ベティ・ロッシュのボーカルがのほほん。(W)
007 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
Wilhelm Furtwangler
1951 ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
Beethoven Sym No.9(EMI)
世界遺産入りを要望する!全音楽ファン必聴の感動の記録。(W)
バイロイト祝祭管弦楽団を振った51年のライブ。こんなに長いこと名盤といわれつづけていると飽きがくるものだが、何故かこの3楽章(特にホルンのとこ)は聴く度に背骨が震える。そしてレコード史上例のない破格のエンディングに呆然とするのだ(おいてかないでくれー)。それにしてもフルヴェンは2004年には没後50年になろうというのに未だに未発表音源、ブート盤が後をたたない。この第九だけでも8種類ある。ビートルズと並ぶ20世紀ブート魔王だな。(S)

1952
日本、IMF加盟。ケージ「4分33秒」。手塚治虫「鉄腕アトム」。美空ひばり「りんご追分」ヒット。
→(003)チャーリー・パーカー/ナウズ・ザ・タイム

1953
ラオス、カンボジア独立。ベケット「ゴドーを待ちながら」。小津安二郎「東京物語」。
008 MJQ
Modern Jazz Quartet
1953/55 ジャンゴ
Django(Prestage)
名盤なんでしょうねぇ、これ。しかもジャンルを問わずカルテット好きの私としては避けては通れないんですが...。ハッキリいってつまんないよな室内楽ジャズは。ジャズのカルテットはワンホーンがいいなぁ。ああいかん、誰か代わって書いてくれよぉ。(S)

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