009 | アート・ブレイキー(&ジャズ・メッセンジャーズ) Art Blakey(& Jazz Messengers) |
1954 | バードランドの夜 vol.1 A Night At Birdland Vol.1(Blue Note) |
ブレイキー名義だが、ブラウニー、ルー・ドナルドソンの熱く、とりとめのない?プレイが聞き所。聴く方もノリにノッて聴くことが肝要だ。完成度云々なんて野暮なことはいいっこなし。(S) | |
1958 | モーニン Moanin'(Blue Note) |
アート・ブレイキーのアルバムでは、ハードバップの誕生の瞬間をとらえた「バードランドの夜」も有名だが、アルバムの一般的な知名度、黒く押し出しの強いブレイキーのジャケ写でこちらを選んだ。(W) |
010 | ヘレン・メリル Helen Merril |
1954 | ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン Helen Merril With Clifford Brown(EmArcy) |
ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・トゥ・ホーム・トゥといえば、やはりこれでしょう。コール・ポーターの名曲で、アート・ペッパーのミーツ・ザ・リズムセクションの冒頭の演奏も有名。大人のダルな世界を味わいたい中高生は即買い!(W) |
011 | ルイ・アームストロング Louis Armstrong |
1954 | プレイズ・W.C.ハンディ Plays W.C.Handy(Columbia) |
サッチモというと、1925年〜30年くらいが最高という評価が多いが、残念ながら、現時点では、この辺の時代の紙ジャケはない。そうなると、戦後の録音になるが、その中で1枚選ぶとなると、ブルースのW.C.ハンディの曲に取り組んだこの作品に.なるだろうか。エンターテインメントに徹してきたサッチモを久しぶりに燃えさせた好企画盤。結果として、サッチモ最後のきらめきを捉えた貴重なドキュメントとなった。(W) |
012 | レオポルド・ウラッハ Leopold Wlach |
1954 | モーツァルト:クラリネット協奏曲 Mozart:Clarinet Concerto(Westminster) |
不世出のクラリネット奏者、ウラッハがウィーン国立歌劇場管弦楽団と吹き込んだこの名曲の決定版。いくら聴いても聞き飽きない無人島ものの1枚。ふくよかな音色、嫌みのないフレージング、しかし一番すごいのは、聴いているうちに何の楽器だかわからなくなってしまうことだ。そゆときは正直、震えがきます。(S) |
013 | クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ Clifford Brown = Max Roach |
1955 | スタディ・イン・ブラウン Study In Brown(EmArcy) |
ブラウニーって凄いな、かっこいいなー。そしてローチも凄いだよね。ドラムが歌ってるもん。(W) | |
最高級超弩級ハード・バップ・クィンテットの名盤。こいつらのアルバムはすべて名盤。親しみやすさや楽曲のキャッチーさでは「ブラウン=ローチ」の方がいいが、何しろ一丸となって迫るこの「スタディ〜」のエネルギー感は圧倒的。ブラウニーの高名な"チェロキー"のソロで悶絶した人は、ポリーニのショパンでムンク状態になった人より多いという(当社比)。でもポリーニと違って聴後が爽快なのはブラウニーの人柄のなせる技か?(S) |
014 | グレン・グールド Glenn Gould |
1955 | J.S.バッハ:ゴールドベルグ変奏曲 J.S. Bach: Goldberg Variations (CBS) |
55年録音版。ピアノをこんな風に弾く人がいるなんて、グールドを初めて聴いた時はびっくりしました。(W) | |
清新でキラめくこの盤もいいが、やはりグールドのマニエリスムが頂点に達した晩年の録音の方が宇宙的にすごい。清教徒的なストイックさの中から押さえ切れぬロマンチシズムがあふれ出てくるのは新録の方だ。ハワイの海辺で聴くとけっこういける(実験済み)。ソニーさん早く紙ジャケ化してくれ。それまではやはり暫定。(S) |
015 | セロニアス・モンク Thelonious Monk |
1956 | ブリリアント・コーナーズ Brilliant Corners(Riverside) |
久しぶりに聴いたら、やっぱりドキドキ、ワクワクした。何度聴いてもこんな期待感を持たせるアルバムはなかなかありません。そのほか、モンクのアルバムでは、RVGのリマスターでよみがえったブルーノートの2枚もドキドキします。(W) |
016 | ソニー・ロリンズ Sonny Rollins |
1956 | サキソフォン・コロッサス Saxophone Colossus(Prestige) |
サキコロの20世紀の名盤入りに異論をはさむ人はいないでしょ?奇跡的なアルバム。ちなみに栄誉ある紙ジャケ第1号はこのサキコロ。(W) |
017 | タル・ファーロウ Tal Farlow |
1956 | タル Tal(Verve) |
中低域で疾走するタルのギターとエディ・コスタのピアノにはめまいすら覚える。ちなみにこのアルバム、紙ジャケをみてて気付いたんだけど、ジャケには表も裏も横も単にTALとのみ書いてあってTal Farlowの名は併記されてない。なんか、この辺からしてかっこいいんだよね。それにしても56年は名盤の当たり年だな。(S) |
018 | チャールス・ミンガス Charles Mingus |
1956 | 直立猿人 Pithecanthropus Erectus(Atlantic) |
いやーあ、ワン・アンド・オンリーな世界ですねぇ。ミンガス以外の誰も、こんなことを考えなかったし、考えたとしても実際にこうして形してしまうことはなかった。ミンガスの音楽制作現場での剛腕ぶりを感じさせる1枚。ジャッキー・マクリーンが猿人のごとくウキーッ!と咆吼してます。(W) |
019 | アート・ペッパー Art Pepper |
1957 | ミーツ・ザ・リズム・セクション Meets The Rhythm Section(Contemporary) |
「サーフ・ライド」やタンパ盤、マーティ・ペイチとの仕事などペッパーに名演多し。というか50年代のペッパーは他人とは一線を画す存在。ソロの入りのひと吹きでその差を歴然と感じさせてしまう。どれもいいんだけどこれはカルテットだし、ジャケも音もいいということで。個人的には「サブタレニアンズ」のサントラなんかも好き(S) |
020 | ヤッシャ・ハイフェッツ Jascha Heifetz |
1957 | チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 Tschaikowsky:Violin Concerto(RCA) |
不世出のヴァイオリン奏者ハイフェッツがライナー/CSOと組んだこの曲の最後の録音であり、まさに決定的名演。ハイフェッツにこの曲を指導した先生がアウアーであり、このアウアーが作曲家本人からこの曲を献呈された人なもんで、誰もこの演奏には口をはさめない。まぁ聴けばはさもうとは思わないだろうけど。ライナー/CSOはあいかわらず引き締まった演奏で、まるでブレイキーのドラムのようにソリストあおりたてる。このコンビはホロヴィッツの時もそうだけど、ヴィルトゥオーゾのバックについた時はホント凄いス。(S) |
021 | キャノンボール・アダレイ Cannonball Adderley |
1958 | サムシン・エルス Somethin' Else(Blue Note) |
やはり「枯葉」でしょうかね。マイルスの一吹きで名盤入り決定!ブルーノートの総帥アルフレッド・ライオンはこのセッションのマスターテープにリーダー「マイルス」と書き入れたのだそうです。マイルスとライオンの友情が生んだ名盤(W) | |
キャノンボール、というよりブルーノートを代表する名盤。ジャケのタイポグラフィも不滅。このデザインを見るたびにライオンとウルフがドイツからやってきたことを思い出してしまいます。(S) |
022 | イ・ムジチ合奏団/アーヨ(Vn) I Musici/F.Ayo(Vn) |
1959 | ヴァイヴァルディ:四季 Vivaldi:Four Seasons(Philips) |
空前の「四季」ブームを巻き起こしたイ・ムジチ2回目の録音。この後もリーダーが変わる度に再録しており、イ・ムジチだけで4種以上の盤があるが、アーヨの時のようなマジックは二度と起こっていない。(S) |
023 | オーネット・コールマン Ornette Coleman |
1959 | ジャズ来るべきもの The Shape of Jazz to Come(Atlantic) |
私がマイルスのビッチェズ・ブリューに続いてはまったのはオーネットのダンシング・イン・ユア・ヘッドであったが、オーネットの中では、やはりこのアルバムは外せない。ロンリー・ウーマンは名曲だが、演奏もやはりあの時のあのメンバーだからこその名演。(W) |
024 | カーティス・フラー Curtis Fuller |
1959 | ブルース・エット Blues ette(Savoy) |
恥ずかしながら私、ずっと"ブルー・スエット=青い汗"だと思っとりました。ちゃんとブルーズっていってくれよぉ、ズって!そんなわけでこのジャケもプロコルハルムのジャケがカラーになったような印象がぬぐいきれないんですよね。内容は聴きやすいジャズです。(S) |
025 | デイヴ・ブルーベック Dave Brubeck |
1959 | タイム・アウト Time Out(COlumbia) |
ブルーベックっていう人は、時代によって、人によって評価がコロコロかわるから面白い。特にここに収録された「テイク・ファイヴ」なんて大ヒットがあるから、変な反発までうけたりする。デスモンドをけなす人はあまりいないのに...。日本人のファン気質も関係あるんでしょうか?(S) |
026 | マイルス・デイビス Miles Davis |
1959 | カインド・オブ・ブルー Kind of Blue(Columbia) |
最初にマイルスを聴いた時は、30曲くらいのオムニバスだったのだが、妙に心に残ったのが「ソー・ホワット」と「オール・ブルース」。マイルスがペットなのかピアノなのかもよく知らなかった頃のことだ。後から2曲ともこのアルバムだったとわかって自分なりにちょっと驚いた。あんまり名盤、名盤といわれるので批判もかなりあるようだけど、やはりサムシングのあるアルバムだと思う(もしかしてエヴァンスのピアノに反応してたのかな?)。(S) | |
1969 | ビッチェズ・ブリュー Bitches Brew(Columbia) |
カインド・オブ・ブルー、ネフェルティティ等を推すむきもあると思われるが、ロックファン、ファンクファン、ジャズファン、現代音楽ファンをこの1枚で全て満足させる度量の大きさで決定。事実、パンク(当時)の私もここからジャズの魔道へはまっていくのであった。(W) |
Supported by “アンケートメーカー” |