LED ZEPPELIN PART 1
比較検証 レッド・ツェッペリン PART1

I/II/III/IV/PAGETOP


紙ジャケ10枚(今回はwith OBIで撮ってみました)

いまさらながらのZEPの検証である。紙ジャケがリリースされたのが97年の11月。もう2年
もたっているし、探検隊もはっきりいってやる気はなかった。時期の問題もそうだが、我々ごと
きがZEPなんていう濃〜いものをやるなんておそれおおいと思っていたのだ(それにしてはビ
ートルズやストーンズを扱って赤っ恥をかいているが)。
しかし、今だに「欲しいがどこさがしてもない」「イギリスに住んでいるのだがなんとか入手し
たい」などのメールが後を絶たない。我々も毎月のように買っては送っている有様だ。特に
「IV」などは一体何枚探して買って送ったかわからないのだ。ああおそるべしツェッペリン!。
ホントこわいわ。
さらに英の中古市場ではなんと定価の2倍のプレミアで売買されているではないか!

また発売から2年がたち、紙ジャケに対する評価も変わりつつある。
我々のデータベースでは、ZEPの紙ジャケは最高評価の5を与えられている。
これは、97年発売当時はギミック・カバーの紙ジャケが皆無であり、当時ミニチュアとしては十
分満足できたこと、またロック系紙ジャケに対する先駆者的功績を考慮したことが主な理由だ。
が、確かにご意見があったように、あの仕様で今リリースしても誰も満足しないだろう
(新規リマスターでもないし、ジャケの再現度もイマイチ、さらには「III」の穴の数が少ないと
いう欠点も指摘されてしまった)。

そんなこんなの状況を踏まえて、じゃ、まぁもう一度ちゃんと検証してみましょうか、というこ
とになった次第である(まーた新しいベスト盤でちゃうしね)。
何か間違いや疑問点があったらメールをいただければ幸いである(ふぇーん怖いよう)。
どうかお手やわらかに。

なお文中の価格は99/11月現在、探検隊の独自調査によるもの。英盤の標準価格はRecord
Collector誌の「Rare Record Price Guide 2000」を参考にしている。

<オリジナル盤と紙ジャケ>
ところで比較検証といっても、ツェッペリンのオリジナル盤ていうのはそもそもどれなんだ?
ご存知のようにツェッペリンが契約したのは米国Atlantic社である。発売も4枚目までは米盤
の方が先、販促用のプロモ盤も米盤のみのようだ(シングルはこの限りではないが)。
当然紙ジャケも米盤→日本ワーナー盤の流れに準じた仕様で復刻されている。
ところが、色々な雑誌やツェッペリン本にのっている原盤は、総じて英国盤なのである。
イギリスにおけるツェッペリンのアルバムは、当初英ポリドールを通して販売された。
これが俗にポリドール・ナンバーといわれているもので、レーベルの色からRed/Maroonレーベ
ルとも呼ばれている(ちなみに日本では日本グラモフォンを通じての販売)。
(各国レーベル写真。中央が紙ジャケ)
英国盤のレーベルにはちゃんと「米国Atlantic社のライセンスのもとに製造」と記してある。 これでなんでオリジナルが英国盤といわれているのだろう。もちろんツェッペリンはみな英国人 だし、英国のバンドである。しかしそれで原盤が英国になるのなら英米混合のフォリナーとか、 もともと英国人のジェーン・バーキンとかどうなっちゃうのだろう? ま、いいや屁理屈は。いずれにしろ英国盤のLPの方が人気があり、値段も米盤の10倍くらい 高いのだ。昔から英国盤が人気のある理由は、大体以下のものだと思う。 ・音がいい  マスターテープのジェネレーション/カッティング/プレス/盤自体の材質、など複合した要素  があるが、最大の要素はその雰囲気かも。  AMラジオに合わせたため中音域が太く、独特の質感を持つといわれている。  もちろん音の悪い英盤もあるし、滅茶苦茶音のいい米盤もある。 ・ジャケがきれい  実際どうかは知らないが英国の印刷は4色分解、米は基本的に3色分解という話である。  紙質も英盤の方がいいという人もいるが、好みの問題。  ペラ紙でコーティングしてあるジャケを見ただけで買ってしまう人もいるとか。  また英国のインクのにおいがたまらんという人も(これは病気だと思うが)。 ・なにしろ英国盤  とにかく全体に格調高いと見る向きもあるようで、米盤は安っぽいというイメージがある。  しかし、JAZZやプレスリーはこの限りではないので、ブリティッシュ・ロック・コレク  ター特有のものだと思う。 英国盤のポリドールナンバーは4枚目まで。72年に米国Atlantic社がワーナーに買収されたた め、その後のプレス、及び5枚目の「聖なる館」以降は全世界的にワーナー/アトランティックで のリリースとなった。当然品番も変わった(日本では71年にグラモフォンからワーナーに権利が うつったようだがこのへんのタイミングはよくわからなかった。ただ71/9月に来日した時はすで にワーナーだったような気もする)。 今回のPART1ではこの4枚目までを英/米盤とあわせて紙ジャケと比較していこうと思う。 とーっても長くなってしまったが、この後はもっともっと長いです(もはや歯止めがきかず)。
LED ZEPPELIN 今回比較したファーストアルバム10種。なんか大飛行船団になってしまった。 写真左から US 69/1/12発売  1.米初版 Atlantic SD8216(1969, 1st, ATCO type Purple/Brown label,MissPressing?Different Mix)  2.米2nd  Atlantic SD8216(69〜73?, 2nd, 1841Broadway Green/Red label)  3.米再発 Atlantic SD19126(75〜80?, 5th?, +Warner credit Green/Red label,ちなみにこれはRecord Club Edition)   (写真にはないが米3rdは SD8216(73〜75?, Rockefeller Plaza label)) UK 69/3/28発売  4.青ロゴ Atlantic/Polydor 588 171(1969,1st,Turquoise Blue Lettering, Red/Maroon Label, Laminated cover)  5.英2nd  Atlantic/Polydor 588 171(1969, 2nd, Orange Lettering, Red/Maroon Label, Laminated cover)  6.英再発 Atlantic K40031(4th?,Atlantic+Warner credit Green/Orange label, Laminated cover)   (写真にはないが英3rdは K40031(1972?)でWarner creditのないレーベル?) JP 69/7発売  7.日2nd  Atlantic/Nippon Grammophon MT1067(69/9〜12?,2nd,「レッド・ツェッペリン登場」,Green/Light Blue Label,Gatefold cover)  8.日3rd  Atlantic/Warner P-8041A(71or72?, 3rd, Geen/Red Label,with Poster)   (写真にはないが日本1stは Atlantic/Nippon Grammophon,SMT1067,「レッド・ツェッペリン登場」,Green/Light Blue Label,Gatefold cover) 手前左からCDで、  9.紙ジャケ JP Atlantic/EASTWEST AMCY2431(97/11,Papersleeve CD,90 J.Page Remaster)  10.旧CD  US Atlantic SD19126-2(80年代後半?,リマスター前のCD) ロック界不滅の金字塔、ツェッペリンのファーストアルバム。ツェッペリンの全アルバムの中でも これが一番好きという人は多い。ジャケはいたってシンプルなのだが、その分ロゴやレーベルの色 が違うだけで値段が何倍も変わってくるという恐ろしいアルバムでもある。 発売は米盤が69年の1/12日。当時アトランティック社では白人ブリティッシュ系バンドはATCO レーベルの方で発売しており、ソウルやR&Bの名門、本家アトランティックレーベルでは発売し ていなかった(クリームなんかもATCOから出ていた)。だからツェッペリンはまさに異例で、い かに会社が力をいれていたか、事前の評判が高かったかがわかる。 上が当時の内袋だが、ツェッペリン以外はアレサやレイ・チャールズ、オーネットなど大物がズラ リ、白人では右横のダスティ・スプリングフィールドや下の方に見えるラスカルズくらいのアメリ カものがチョコチョコあるだけ。ツェッペリン、目立ってます。 て、ここまではけっこう有名なのだが、栄えあるアトランティックから出た割に初版のレーベルは ATCOのデザインだったことはあまり知られていない。 ツェッペリンのレーベル PART1 米盤のレーベル。左から1.米初版のパープル/ブラウン。ATCO色だ。当初は白人ブリティッシュ・ バンドということがわかるようにこのタイプにしたのだろうか?売り出し方に迷いがあったように 感じられる。すぐに中央の2.米2ndに変わっているのもなんか判然としない。今度はちゃんとアト ランティック・レーベルのカラーである。チャートを急上昇し、いきなり大物バンドになったの で、晴れて本家アトランティックに仲間入りということか。どんな感じだったのかなぁ(ナゾだ)。 ちなみにこの中央の2.米2ndは色が白っぽいため"WHITY"ともいわれている。本来は左の3.米再発 の色がアトランティックのグリーン/レッド(グリーン/オレンジともいうがオレンジには見えな い)で、これ以降「聖なる館」まではすべてこのデザイン。後はレーベルの住所で何番目のプレス かを判断するしかなくなってしまう(住所については下記「II」の項で詳述)。 英盤のレーベル。左が4.青ロゴ5.英2ndもいっしょ)のレッド/マルーン色。71年の「IV」まで このレーベルが使われ、それ以降の「聖なる館」及び再発は左のアトランティックレーベル色にな る。写真は6.英再発(K40031)のもの。英盤は色がパステルっぽくなっていて確かにこれならオ レンジである。 6.英再発もワーナーロゴがついているかどうかでプレスの順番を判断できる。 日本盤のレーベル。左が日本グラモホン時代の7.日2nd(初版のSMT1067も同じデザイン)。発 売元が日本ワーナーに変わる前の「III」までこのデザインが使われた。中央がその日本ワーナーか らの最初の発売(8.日3rd)。米盤といっしょになった。以降の「聖なる館」及び再発はすべてこ のデザイン。左が肝心の9.紙ジャケ。CDではあるがアトランティックのレーベル色を再現しよう としている。でもなんかメタリックな色になっちゃって...ポケモンボールのようだな。 <ジャケット> それでまたジャケットがビミョーに違ったりしているのだ。まずロゴの色。本来はオレンジなのだ が、赤に転びやすい。9.紙ジャケ1.米初版(写真下左)、5.英2nd以降、8.日3rdなどと同様に なんとかオレンジを保っている。が他はすべて赤っぽい。 もちろん英初版の4.青ロゴ(写真下中央)は別。あざやかなトルコ・ブルーは高額の印? 昔からZEPファン泣かせな1枚だがそもそもなんでこの色にしたのだろう(そりゃあプレミアつけ るためだろうな。大成功だな)。また10.旧CDのように黄色の方に転んじゃったヒドイものまで ある(3.米再発のSD19126にはこのロゴ色のLPも存在するが)。→こちら 7.日2nd(写真上右)は赤っぽいロゴの下に"アートロックシリーズ”のロゴが付け足されている。 (日本初版SMT1067も同じ)。 また米盤と日本ワーナー盤は右下のアトランティックロゴの上に品番がふってある。紙ジャケはこ の流れのデザインを使っているはずだが、何故かこの部分だけは英盤のように番号なし。 (日本グラモホン盤も番号なし。10.旧CDは番号はおろかロゴまでない)。 紙ジャケは折衷的? もう一つロゴの上の余白の問題もある。 4.青ロゴ(写真右)と5.英2ndの"588171"はロゴの上に余白がない。というかジャケットが一回 り小さく、折り返しの方法も違うのが大きな特徴だ。実際ほかにあまり見たことないくらいジャケ のサイズは小さい。上の写真は米盤とならべた所(赤線で英盤を囲んでいる)。 紙ジャケのロゴの上の余白のなさは英盤を思わせるものだ(うがちすぎだな、これは)。 英盤も再発から普通の大きさになる。また7.日2ndはロゴの位置がちょっと低い。 今回使用した英盤のジャケは6.英再発も含めてすべてコーティングされた美しい仕上がり。 <裏ジャケ> ヤードバーズのクリス・ドレヤの写真による裏ジャケット。 左から1.米初版/2.米2nd/4.青ロゴ/7.日2nd/上10.旧CD/下9.紙ジャケ。 米盤及び日本ワーナー盤は裏に紙が貼ってある張り紙タイプで、色は茶色っぽい。 9.紙ジャケはこの流れの仕様。1.米初版も張り紙タイプだが色味はセピアっぽい。 英盤はすべて同じ色味だが、貼り紙タイプではなく折り返しのコーティングタイプ。 色が黄色い10.旧CDは問題外。 7.日2ndは見開き仕様で、デザインも全然違う。 日本語のタイトルが表のロゴの色と同じ赤い文字で書いてある。ちなみに日本初版(SMT1067)もデ ザインは同じだが、ペイジ以外のメンバーの写真と名前が入れ替わっていることで有名だ(その分価格 も高い?)。この7.日2ndではなおっている。 見開きの内側はこんな感じ。青い字で解説と歌詞が掲載されている(期待した人ごめんなさい)。 解説では「ニューロックの巨人になるだろう」と予想されている。フムフム。 <背表紙> 今回の紙ジャケの背表紙。ファーストアルバム(写真一番上)は8.日3rd(ワーナー盤)の赤とグ レーの塗り分け入りを踏襲している。(しかし「II」は何故かUK盤→日本グラモフォン盤の流れ。 これは後述します)。 米盤(SD8216)は外側からは非常に見分けにくいのだが、1.米初版のみ背表紙の一番下に0698と いうナンバーが入っていることで判別可能だ。 <音質とお値段> えーちょっと長くなりすぎたんで、ここでもう一度今回比較の10種を見てください。 写真左から US 69/1/12発売  1.米初版 Atlantic SD8216  2.米2nd  Atlantic SD8216  3.米再発 Atlantic SD19126 UK 69/3/28発売  4.青ロゴ Atlantic/Polydor 588 171  5.英2nd  Atlantic/Polydor 588 171  6.英再発 Atlantic K40031 JP 69/7発売  7.日2nd  Atlantic/Nippon Grammophon MT1067  8.日3rd  Atlantic/Warner P-8041A 手前左からCDで、  9.紙ジャケ JP Atlantic/EASTWEST AMCY2431  10.旧CD  US Atlantic SD19126-2 今回比較して驚いたのは、ツェッペリンの中でもファーストとセカンドはプレスによって音質が全然 違うということ。印象も違う。 特にファーストの米盤は昔から"音がでかい"ことで有名だった。 それは2.米2ndの1841Broadway ラベルで顕著だ。カッティングレベルが非常に高く、迫力がある。 しかも高音域が強調されたギンギンの音である(その代わりレンジは狭い)。盤もぶ厚い(ちなみに 1841Broadwayラベルの盤、要するに初版はどれもぶ厚い盤)。 エンジニアをつとめたグリン・ジョーンズによると、ペイジはわざわざマスタリングのためにニュー ヨークに飛び、マスターの音を忠実に盤に刻むべく熱心に取り組んだということだ。この話を知って いた私は、この2.米2ndの音がペイジの望んだ音だと思っていた。アメリカ・マーケット向きのギン ギンのハードロック。いやぁ、さすがにペイジさん、計算高いヤツだなぁ、なんて思っていたのだ。 ところが1.米初版のリアル・オリジナルは2.米2ndと音が全然違うのである。 音はでかくなく、音量は英盤に近い。そして非常にナチュラルに音がのびていく。そのため英盤ほど 中低域は出ていないし、2.米2ndと比べればおとなしい音だ(盤の厚さは普通)。 だがこれが実に自然でいい音なのである。 なにしろ全然耳ざわりじゃない。しかもペイジのいっていた空気感が充溢している。えっツェッペリ ンてこんなバンドだったの?てな感じで耳からウロコ状態である。 "BABE I'M GONNA LEAVE YOU"のサビがそんなに歪まずにきれいに鳴りきっているのである。 いやぁ、けっこう何回聴いてもあきません(実際最近こればっかりターンテーブルにのってる)。 ペイジがニューヨークまでマスタリングのためにわざわざとんでいったのも納得できる。グリン・ジョ ーンズの話もよくわかる。 まさしくこれが最初に世に出たツェッペリンの音なのだと感じられる(プロモ盤のぞく)。 2.米2ndからは、おそらくヒットに気をよくした米アトランティックがマーケットに合わせてイケイケ のハードロックに変えたのだと思う。売り方のコンセプトは非常にわかりやすいが....うーん、でもなん か今までだまされていた感じだ。 ちなみに1.米初版のマトリックス・ナンバー*は681461PR-1S(B面2S)。 2.米2ndは681461MO-Bとかだ。 (末尾のMOとかPRはAtlanticの場合、製造した工場を示すもののようです。したがって米2ndでも 末尾がPRの盤があるかもしれません。この件に関しては舞様より情報をいただきました。感謝)。 2000/5 追加 えーすいません。ここで米初版といっているATCOレーベルのものですけど、別にジミー・ペイジがのぞ んだ最終型ではなかったようです。 このATCOレーベル盤は、1stプレスであるという説(ZEP本の中にも最初はこのレーベルでリリースさ れたようだと記述しているものがある)、ミスプレス説があったのですが、最近はミスプレス説が有力。こ こではとりあえずマトリクスも若いし、音の鮮度も高いので初版として扱っていたのですが、舞さんに先日、 「B面の後ろの方で片方のチャンネルから音がしなくなる。やはりミスプレスではないのか?」と疑問を提 示されまして、ちゃんと聴きなおしてみました。 で、B面の最後の方は、っと聴いてみて、 「な、なんじゃ〜こりゃ〜!!!」 オレは今まで一体何を聴いとったんじゃ、これが最初のZEPなどと偉そうなこといっといて〜 (白状します。ほとんどA面ばっか聴いてました(裏返すの面倒で)).... 私はミスプレスというのが、レーベルを間違えた(印刷ミス)だと思っていたのですが、音の方だったとは!? B面はまったく通常版と違います。 まず、 B1.時は来たりて オルガンイントロの後、いきなりドラムが左から入る。通常はセンター。 ヴォーカルも左より(たまにセンターよりになる)。 ベースも左よりのまま(これは通常、ブレイクのみ左で、センターに戻る)。 したがって右はほぼオルガンチャンネルと化してしまう。 B2.B.M.S. ギターはほぼセンターでいいのだが、 何故かタブラが左の方にいる(通常はセンターから左右に広がる)。 B3.コミュニケイション・ブレイクダウン これがもっともわかりやすい。 ドラムが左(通常は中央)、ギター1も左、ヴォーカルは最初左で中央の方によってくる。ベースは中央または右より ギター2(リードを弾く方)のみ右におり、ソロの途中で中央による(これは通常通り)。 したがって、何かのはずみでB面の左右の音量が偏っただけだったら、アンプのバランスつまみを使って通常版の ようにドラムがセンターにくるようにすればいいのだが、このMIXでそれをやるとベースが右端にいってしまい ギターソロもセンターにこなくなる。 B4.きみはな これはほぼ通常通りだが、 左よりのドラムのエコーが右にあまりない(というかまだかかってない?)。 B5.ハウメニモアタイ ドラムが左よりのまま。 ベースもヴォーカルも左より。 最初ギター2のみ右よりにいる。 ギターのパン、及びエンディングのシンバルのオーバーダブはちゃんと右にいるから 右チャンネルが死んでいるわけではない。 これは明らかにミックス違い。 というか、ラフミックスである。 たぶんきっとこんな感じだ。 「よーし今日のミックスはここまでにしておこう」 「じゃテストでカッティングしておきますけど、 後のまだミックス途中の曲はどうします?ジミーさん」 「とりあえずそのままツルっと落としちゃってよ」 「このセッティングのままでいいんですか?この曲の状態のままだと リズムセクションが左によっちゃいますよ」 「いいよいいよどうせラフだから。それよりスタジオ時間がもったいないだろ!」 ということでそのミキサー卓のセッティングのまま、2チャンラフミックスに落とされ ミュージシャン確認用のテストプレスが作られ、それがどういうわけか 工場でマザーまで作られ、さらにはプレスまでされてしまったのではないかと....(うがちすぎか) それじゃ音が自然で、鮮度がいいのも当たり前だぁな。 ほとんどなんにもお化粧してないんだから。 スッピン、つうことです。 ちなみにA面の方はほぼ通常通りだが、 A1のコミュニケーションブレイクダウンでブレイク時のベースが左によっていてそのままいつづける、 A2.アイムゴナリーヴユーのイントロでギターやヴォーカルのリバーブが通常版と違う また通常版より音像が左右に大きく広がっているなど気になる点もある。 が、まぁこのへんは位相の問題といった程度かもしれない。 なお90年のリマスターでこのアルバムはミックスも変わっているのは有名。 わかりやすいのは1.曲目や、2曲目のイントロの左右がそれまでとは逆になっていること (もしかしてこっちが正しかったりして)。 つうことでこれが正しければ、ヴァージョン違いがないといわれていたZEPだが、 1stは3ヴァージョンあることになる。これってもしかして新発見? なおもっとよく聴くとフレーズやFOのタイミングとかも違うかも。もうちょっと時間をかけて検証してみます。 <2001/3/18> 舞さんよりUSファーストプレス(パープルブラウンATCOレーベル)について新発見情報が! 舞さんは2枚目のATCO盤を入手したようで、マトリックスをチェックしたところ、 A面 STA-681461-PR-2S B面 STA-681462-PR-4S だったとのこと! ということは、初回だけでなくどうやらATCO盤も版を重ねている。 以前掲示板で「右の音が小さい」とか「ミックス違い」と盛り上がった盤はマトリックスが A面 STA-681461-PR-1S B面 STA-681462-PR-2S で、このB面4Sのほうは、ちゃんと右からも音が聞こえているそうです。(ちなみにA面同士 はほとんど違いなし)、非常にナチュラルというか、おとなしいUK盤という、この比較検証 のコメント通りの盤だったとのことです。 というわけで、ATCO盤については1S/2Sはやはりミスプレス、その後のプレスでは正 常になったと考えられます。 とのことでした、貴重な情報ありがとうございます。 日本盤は米盤から半年以上遅れて7月に発売された。今回は残念ながら初版のSMT1067は比較できな かったが、7.日2nd(MT1067)もマトリックスナンバーはSMT1067のままなので、おそらく同質の 音だと思う。 音質は2.米2ndに近い音だが、あれほどカッティングレベルは高くない。音量は1.米初版2.米2ndの間く らい。多少平面的になり、音質も丸くなっているが思ったより音はいい。けっこう時間があったので ていねいにマスタリングできたのだろうか? 価格は7.日2ndが2〜3千円くらい。帯が付くと状態によっては2〜3万するようだ(笑)。 初版はさらにバカ高い。帯付きは下手すると4.青ロゴより高いかも(7万以上?3年前に15万で売られ ていたという情報もいただきました。げげ)。 音がよければわからないでもないが、こりゃ完全なコレクター向けですな(えっ、お前がいうなって?)。 そして一番人気の英盤。まずはノーマル盤の5.英2ndからいきましょう。 確かに英盤は中音域が太く、独特の雰囲気がある。一つ一つの楽器がくっきりとした音像を持ち、立体 的に迫ってくる。ギターも太けりゃベースも太い。しかもエッジが効いてる。こりゃ人気あるよな。 音量は2.米2ndより小さいがその分レンジは広く、繊細な印象。 この ロゴがオレンジになった5.英2ndは日本で5千円から8千円くらいか(現地価格は12〜18ポンド)。 ここまでがポリドール・ナンバー、レッド/マルーンレーベルで、発売がアトランティックにうつった 6.英再発から1000円位のお買い得品になる。 そして一番人気の4.青ロゴ、UK初版である。おそらく今回比較した中で一番高い。日本では今3〜5万 円くらい(現地価格で60〜80ポンド)。字が青いだけで5万!下手すりゃ10倍もするのだ。もう勘弁し てくれよって感じで、私は最初自分で青く塗っちゃおうかと思いました(コーティングされてるから無理)。 で、考えたわけです。本当に単に文字が青いだけなの....か? <青ロゴは音が違うのか?> 結論としてはほとんど同じだが、確実に違う(なんじゃそりゃ)。 プレス・マザーが違うのは音を聴かなくてもわかる。溝の形状が明らかに違っており、特にB面は曲間の 溝の処理が違う(ただし今回比較したものに限る。長年の間に中の盤とジャケが入れ替わっている可能性 もあるので)。 こころなしか5.英2ndよりエコーはよく響き、音場も広く感じる。ただし違いはごくわずか。 また"YOU SHOOK ME"のハーモニカソロでの変な掛け声や、シンバルロールの粒立ちなどがはっきりして いる。そんなくらいの違いです。値段のように10倍も違いません。 でも1.米初版を聴かなければこればっかり聴いていたと思う。それくらいかっこいいツェッペリンである。    4.青ロゴ追加情報 2000/2/8     その後UK初版の文字が青いものにもマトリックスナンバーによって版がわかれる可能性があることがわかった。     大きくわけてA面が     588171 A//1 11で始まっているものと、     2番目の8がもう一度手書きで8と何故か同じ数字に修正されていて、     58(8)171 A//1 12で始まっているものである。(8)が修正されている数字。     (なおそのあとの末尾にも数字があり、それぞれ何種かあるようだが、ここでは分けない。     工場での生産上の都合でつけられている可能性もあるため)。     この2番目の、数字が修正されているものは5.英2ndにも見られる。     盤のみ入れ替えられている可能性もあるが、掲示板で同種の盤の確認を得たことから、この結論に達した。     4.青ロゴは2000枚しか販売されなかったという説もあるが、     おそらくジャケはもっと刷っていて(たいていジャケは初回のプレス数量より多く印刷してある)、     2ndプレスにも使ったのではないかと思われる。     音質がいいのは数字修正がない方である。曲間などの溝の形状(バンド幅)についてはその後何種か見つかった     ため結論は保留したい。     もし高い金額を払ってこの4.青ロゴを買おうと思ったら、是非マトリックス     ナンバーを確認した方がいい。A面が588171 A//1 11で始まっている方が、本当の本物の初版だと思う。     以上、これも舞様ほか多くの人から貴重な情報をいただいた。感謝したい <2000/12/18> 英レコードコレクター誌のプライスガイドの最新版(2002)が届いたので つらつら眺めているとけっこう新発見ってあるんですね。 ZEPの1stのレッド/マルーンレーベルは出版社表記がsuperhypeのものと wanerbrosのものがあるとのことで、あわてて確認。 表記的にはsuperhype→wanerbros→superhypeと推移したもようで、warner タイプはレアなのか価格が高く設定されています。 手持ちで確認したところ、青ロゴの初版がsuperhype、 修正マトリクスの青ロゴがwanerbrosであった。 音質が驚くほど違うので、1.米初版/2.米2nd/4と5の英ポリドール盤はそれぞれ楽しめる。 どれもいいと思う。 1.米初版は別格だが、2.米2ndプレスはハードロックのリアル・ルーツとしてのツェッペリン。 英盤はブリティッシュ然とし、ブルース、フォーク、トラッドなどを総合した英国バンドとしての落ち着き、 味わいを感じることができる。 9.紙ジャケは90年のジミー・ペイジ/ジョージ・マリノのリマスターだが、個人的には悪くないと思う。 あんまりよくないという批判もあった。確かにハイファイ的には今ひとつだが、ペイジがこだわった独特の 空気感は出ている。リマスターの方向性としては英盤に近いのではないだろうか。 なにしろ前の10.旧CDがひどすぎた。ペラペラのボソボソの音。これではツェッペリンの良さは伝わりがた い。私は最初CDを聴いた時、"ああオレも年取ったなぁ、なんにも感じなくなっちゃった"と、自分の年の せいかと思ったが、今回あらためて各国初版を聴いて思わずエア・ギターしてしまった。ああはずかし。 (なお10.旧CDの「フィジカル・グラフィティ」の”死にかけて”は左チャンネルが入っていなかったとの こと。そりゃ不良品じゃないのか?)。 <ZEPのMONO盤> 1.米初版も素晴らしいのだが、実はもっとすごい音がある。 上は米のシングルで"GOOD TIMES BAD TIMES/COMMUNICATION BREAKDOWN".。 MONOである。"GOOD TIMES〜"はさすがにステレオの分離と広がりが欲しくなるが、"COMMUNICATION〜"は いや、小便チビリました。いい音というよりスゴイ音。ギターのリフがぶっとくてグイグイ迫り、ボーナムのバ スドラは地を揺るがす。凡百のビート系/メタル系/パンク系が束になってもかなわない、超絶エネルギーにのけ ぞること必至。15$〜20$くらいだからブートを聴く前にZEPファンなら是非聴くべきだ、と思うが....。 ていうことで、ああ聴きたい聴きたいツェッペリンのMONOが聴きたいよ〜と思ったのだが、これがあまりない。 シングルでは初期のものがMONOであるようだが(日本ではグラモホン時代がMONO)、アルバムは米のプロモ盤 にしか存在しないようなのだ(英米日以外の各国盤は知りませんが...USSR盤とか無理矢理MONOだったりして) <ZEPのプロモ盤> 先に1.米初版が最初に世に出たツェッペリンと書いたが、もちろんプロモ盤はそれより先に出ている。 ファーストのプロモとしては ・EP1019(mono/stereo) babe I'm gonna leave you/Dazed and confused ・TLST 35 A面がZEP、B面がダスティ・スプリングフィールドのプロモ・サンプラー ・White label promo 8216(MONO) ファーストのMONO盤 ・White label promo SD8216(STEREO) ファーストのステレオ盤。 4種類あるようだが、どれも一生手に入らないような値段。ステレオ盤は2〜3万でたまに見かけるが8216のMONO はほとんどみかけないし、10万近くしたりする。 これはステレオ盤のレーベル。"SAMPLE COPY NOT FOR SALE"の部分がマジックで消されているため安かった。 マトリックスナンバーは681461PRで、今回比較した1.米初版といっしょなのだが、何故かこれまた音が違う。 楽器それぞれの音の質は芯があっていいのだが、全体に中高域がひっこんでいるためこもって聞こえる。 RUN-OFF部分のマトリックスナンバーはこのプロモが681461-Aで1.米初版が681461-1S。 (なおこの検証で使っているマトリックスナンバーはA面のもの。B面は681462となります)。 うーんこれだけで違うのか。まぁやはりプロモの方はテスト盤といった音、1.米初版は完成品といった印象。 2000/5 えーすいません。全然完成品じゃありませんでした。でも音が自然で鮮度が高いのは 確かのようです上の音質比較をごらんください。 で、こりゃさすがに買えん、ということでシングルでちょっとつまみ聴きしてみようということになった。 MONOの7"プロモは、米では片面ステレオ/片面MONOというスタイルで最後の「インスルー〜」の頃まで出てい たようだ(赤白レーベルがMONO面で、水色がステレオ面)。 これは"丘のむこうに"の7"プロモ。MONOのこの曲は出だしは素晴らしいのだが、さすがに展開部は広がりがないのが つらい感じ。しかも展開部で音量を下げている。価格は2〜3千円程度。 <その他の高音質盤> ツェッペリンは高音質盤もけっこう少ない(というか簡単にOKしないのね)。 81 Mobile Fidelity盤1-065 「II」のみ 92 日本イーストウェスト。オリジナルマスターを取り寄せ、日本でプレス/印刷。高音質とはいわないか。   品番はAMJY-2XXXでけっこう中古で見かける。飛行船の飛び出すCD(米20周年PROMOといっしょ?)が全プレ特典だった。 97 英Simply Vinyl盤(I&II、I は何と青ロゴ!姿を見かけないうちに消え去った。)   何と発売されていなかったそうです。2年前にさがしまわった私って.... 99 米復刻重量盤(最近でたようだが未確認)→結局でなかった模様 (KOIKE様からの情報によると、99/12現在、発売元のHPではまだComing Soonとなっているようです。 Classic Records社(http://www.classicrecs.com/) ラインアップは SD-8216 Led Zeppelin 30.00$ SD-8236 Led Zeppelin II 30.00 SD-7201 Led Zeppelin III 30.00 SD-7208 Led Zeppelin IV 30.00 SD-83061 Led Zeppelin BBC SESSIONS - BOXEDSET (4 LPs) 60.00 で、すべて180g重量盤の模様。BBCのLPBOXだとぉ!早く出してくれ〜) 2000/3/8 BBCBOXが無事日本でも発売されました。日本のディストリビュータは(株)マーキュリーさん 詳細はこちら <Record Club Editionについて> 今回比較に使った3.米再発SD19126はRecord Club Editionである。 見分け方は簡単。裏ジャケの左下にRecord Club of Americaのクレジットが入っている。 それ以外特に他と変わりはない。まぁ同じ500円で買うならちょっと変わってる方がいいかな、程度のもの。 <日本初版SMT-1067> 上記の比較では間に合わなかった国内初版。 日本初版  Atlantic/Nippon Grammophon SMT1067(69/7,1st,「レッド・ツェッペリン登場」,Green/Light Blue Label,Gatefold cover) 番号と裏ジャケのミスプリ以外は7.日2ndと同じ。 レーベルも同じ色で、音質も同じである。 裏ジャケのミスプリ。 写真の並びが左からボーナム/プラント/ペイジ/ジョーンズなのに、 キャプションがプラント/ジョーンズ/ペイジ/ボーナムと書いてある。ペイジ以外は全部はずれ。 独自のジャケットにしようとするとこういうことが起きるんですな。 そのせいか今ではものすごい高い値段で取引されているようではあるが。 帯付きも見かけたが、オークションもので、おそらく最低でも15万以上はするという話。うへぇ。 帯なしでは、掲示板で舞様から教えていただいた通り1万以下のようだ(感謝)。 上記のものは8000円くらいで買えた(くらいって、それでも高いだろ?って意見も。確かに。 たぶん何回も聴かないだろうしなぁ。でも日本で最初に出たツェッペリンだと思えば......???)。 今回の検証に関して、この色の字の部分は、舞様からいただいた情報に基づいています。 貴重な情報ありがとうございました。
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