p r o f i l e

 

 今日は新宿のディスクユニオン本店にCDを物色に行った。ディスクユニオン本店の6階はオルタナティブの専門フロアになっている。今日は、クレプスキュールレーベル系のグループ UltramarineというバンドのCDが欲しかったのでレジの若い女性にバンド名を告げて検索をお願いしたら、彼女は「ネオアカですね」と即答。さすがによく知っているなあと感心してしまった。ネオアカとは、ネオアコースティックの略で、クレプスキュールやチェリーレッドというレーベルがその発信源と目されていた。思わず「若いのによく知っているね」と言いそうになった。(笑)

 さて、次のプレイリストは11月8日におこなったDJのプレイリスト。

01
Sequences of Life / Beroshima
Beroshima は石野卓球がおこなっている WIRE というレイヴイベントによく登場しているテクノミュージシャン。Catastorophe Ballet というアルバムから。クール。

オルタナティブミュージックが80年代中葉に消えていった後、その精神を引き継いだのはテクノだと思う。もっとも80年代初頭におけるテクノという言葉と、いまのテクノという言葉にはニュアンスの違いがある。個人的なことを言えば、ぼくは90年代にはほとんど音楽に関わっていないのでその部分がすっぽり抜けているから、詳しくは言えないのだが。

02
Lovebeat / Yoshinori Sunahara
砂原良徳は電気グルーヴのメンバー。電気グルーヴは石野卓球、ピエール瀧のテクノユニットだが、砂原はその第3のメンバー。ソロでも何作かアルバムを出している。この曲は同名のアルバムから。

ぼくは電気グルーヴも石野卓球も大好きである。電気グルーヴのデビューアルバム Flash Papa なんて何度も繰り返し聴いた。はっきり言って馬鹿テクノラップだが、何とも気持ちが良い。

03
This Time of Night / New Order

04
Soul Vine (70 Billion People) / Cabaret Voltaire
Cabaret Voltaire はイギリスのシェフィールド出身のユニット。当時は、Throbbing Gristle と並んでノイズ系のコンセプチュアルバンドと目されていた。この曲は彼らの Plasticity というアルバムから。このアルバムはテクノ音楽としてとても格好いいと思う。

1983年頃彼らは来日し、新宿のツバキという、有名なディスコでライヴをおこなったのを覚えている。

05
Jump the Line / Pigbag
The Pop Group は3枚のレコードを残し、解散した。その後、リーダーの Mark Stewart はソロに、その他のメンバーは Pigbag、Rip Rig & Panic、Maximum Joy という3つのバンドを構成した。その中でももっとも売れたのはこのバンドだろう。当時ホンダのスクーターのCFに Pigbag の曲が使われたのを良く覚えている。ファンクだが、さすが元ポップグループ。格好いいのだ。

この曲は、彼らのセカンドアルバム Lend an Earから。つい最近CD化されたアルバム。いま聞き直してみると、当時評価の高かったファーストアルバムよりもこのセカンドの方が完成度が高いと思える。

06
Way to Freedom Remix / Kazufumi Kodama

07
How Much Are They? / Holger Czukay
こういう音楽をかけていて、この人を抜かすわけにはいかないだろう。

ドイツの70年代の伝説的バンド Canのリーダー。後の音楽に多大な影響を与えたバンドである。いまはホルガー・チューカイと表記されていると思うが、当時はホルガー・クツーカイと表記されていた記憶がある。みんなドイツ語なんて読めなかったからなあ。だって regaeだってレゲエって読めなくてレガエと表記しているライナーノーツが当時はたくさんあったくらいだもんな。
明治の頃にゲーテをギョエテと表記していたのに似ている?

この曲は彼の Full Circle というアルバムから。ベースを弾いているのは Jah Wobble。そう、Public Image Ltd のベーシストだった彼である。ジャー・ウォーブルのベースのうねりは相変わらず素晴らしい。でもその後のソロではそれほどの輝きを失っているのは何故だろう。

08
Nicher / Klimperei
09
Nostalgie for You Too / Klimperei
フランスのユニット Klimperei。メンバーはフランソワとクリストフというらしい。おもちゃの楽器を使ったトイミュージック。この曲と次の曲は、tout seul sur la plage en hiberというアルバムから。曲はみんな短い。ぼくはこの他に Blumenfabric というアルバムを持っているが、こちらは童話を題材とした作品。tout seul sur la plage en hiber の方が数段良いと思う。

昔フランスにZNRというバンドがあった。あれに感じは似ている。ちなみにZNRについては後述。

10
Nevere Known / Durutti Column
前回解説したLCという、同じアルバムから。

11
Multiple 12 / Wim Mertens

12
Listening Wind / Talking Heads
ぼくはトーキングヘッズはファーストから聴いているが、サードまではイマイチだなあと感じが拭いきれなかった。ところがどうだ、4作目のアルバム Remain in Light で Brian Enoをプロデューサーに迎えるや、劇的な変化が。エスニックサウンドを大胆に取り入れ、素晴らしい化学変化が起こった。

Holger Czukay のペルシアンラヴとの共通点も感じる。Talking Heads のリーダーの David Byrneはイーノとの共作で素晴らしいアルバムも作っているし、この時期はソロでも素晴らしい作品を発表しているが、イーノから離れてしまったらまた凡庸なミュージシャンに戻ってしまった。

13
Pandas in Tandem / Harold Budd & Hector Zazou
ハロルド・バッドは、かつてイーノのアンビエントシリーズで作品を発表していた現代音楽の作家。Hector Zazouは前述のZNRのメンバー。この曲は、彼らの共作である Grythから。ちなみにZNRのアルバムは80年代初頭でさえレアアイテムで高値が付いていたが、一度はCD化されたCDも現在は廃盤でなかなか手に入らない。欲しいんだけどなあ。もっと Zazouはソロではたくさんアルバムを発表していてこちらは手に入るようだが。

14
Isi / Neu!
70年代のジャーマンロックの代表的なバンド。初期クラフトワークのメンバー、クラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターのユニット。これは彼らの75年のアルバムから。ハンマービートの始祖とか言われるが、そんなことはどうでもいいと思う。とても明るくて軽い音だ。気分が晴れる。いや、ほんと。セッションの最後の曲にぴったり。

2006年1月9日号掲載

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