の他、醤油、味噌、豆腐…と技術革新の美名に隠れて、いかに本来の味と安全性が失われているかを説くし、捕鯨問題、長良川問題、輸入米の問題、輸入フルーツの農薬の問題、と様々な政治にも関わる食品の問題を取り上げている。そしてそれらは読者の食生活に影響を与えている。本誌吉田編集長などは、すでに日本人の食生活の枠組みを作っている作品とまで言っていたな。果
たしてこの作品をどれほど多くの人が読んでいるか分からないので何とも言いようがないが、大きな影響力を持っていることは否定できない。
それにしても不思議な作品だ。
この作品は、脚本を雁屋哲が担当し、画を花咲アキラが担当している。画の花咲はほとんどこの作品しかない。この大ヒット作品にかかり切り状態。これじゃあまるで「こち亀」だぜ。画風は拙くはないが、とりたててその画風によってマンガ表現に何かしらの影響を与えるようなものではない。それでいて、なのである。それでいてこの作品は大きな意義を持つ作品となっている。
雁屋哲にしても、多くの作品に脚本を提供しているが、この他の作品は『男組』(画・池上遼一)や『野望の王国』(画・由起賢二)などで、つまりバイオレンスが多い。この作品だけが彼の作品歴の中では異色だ。
文庫版では山岡士郎と栗田ゆう子の結婚をもって第1部終了となっている。しかしその後連載は継続し、すでに山岡夫妻には子どももできた。文庫版でも第2部の刊行が待たれる。(高梨・T・晶)
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