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 先日、敬愛する評論家、椹木野衣氏から以下のようなメールが届きました。『日本・現代・美術』『爆心地の芸術』などの気鋭の批評書で知られる氏は、これまで、戦後の生きた歴史的時間軸から取り残された特殊な「悪い場所」としてのこの国において、いつのまにか制度の中に取り込まれ形骸化していった「現代美術」に対して、ほとんど美術評論家としてたった一人の真っ当な疑義を呈し、闘い続けている人物ではないかという印象を禁じ得ません。
 その彼が、今この緊迫した世界状況において、以下のような声を発することは、当然のこととして理解できます。おそらく氏の評論活動は、美術編集者時代に抱いた、どう見ても閉塞的な「現代美術」と呼ばれる世界に対する「それは、やっぱりおかしいんじゃないか」という、素朴な疑問から端を発しているのでないかと思われます。そして、そのような思いは、そのまま、現在の雪崩のように大規模な破壊の世界へ突き進みつつある危機的国際情勢に対して、民族・国家を分かたぬ「人間」の素朴な疑問として向けられてしかるべきだと思うからです。
 椹木氏の率直な勇気に共鳴して、氏からの呼びかけを本誌に転載させていただくことをお願いするものです。むろん氏には、メール転載の旨、伝えてあります。
 3月21日は、もちろん私もできるだけ知り合いに声をかけてデモに参加したいと思っています。デモの報告を、本誌に掲載できれば幸いです。
 文中、時間と場所は未定とされていますが、正午に芝公園集合ということが決定しています。くわしくはhttp://www.tententen.net/korosuna/をごらんください。

みなさま、
突然ですが
反戦運動を始めます。
名前は「殺すな」です。
   
ちなみに「殺すな」はベトナム反戦運動の渦中でベ平連が『ワシントン・ポスト』(1967年)に出した岡本太郎のことばから採っています。
   
このメールを不快に感じられた方、ほんとうにごめんなさい。やってもよいという方、ぜひ力をお貸し下さい。
   
椹木野衣
   
***
   
アメリカ政府による大量殺戮の日が、 いよいよそこまで迫ってきています。 このまま私たちは、なしくずし的に、 "戦争"に加担させられるのでしょうか。 もちろんNO!!です。でも、単純に "平和のために"と言うこともできない。 なぜなら・・・"平和のために殺せ!" というのが今回の"ブッシュの戦争"の 論理だからです。そしてその"正義"は狂っている。そこで私たちはただ一言 "殺すな"と主張します。でも、誰が? 誰にむかって? 誰を? "殺すな"と? んなこと考えてる暇はもうないので、もはや、誰かれなく、ところかまわず、 無差別に主張します。殺すな、殺スな コ・ロ・ス・ナ、虚露須奈、ころすな、 故賂栖ナ、KOROSUNA、殺すな! 殺すな! 殺すな! 殺すな!!!!!!!!!!!!!!!!
   
   西暦二〇〇三年三月十三日
   "誰も無実ではない、沈黙は死なり"
   
   "殺すな"発起人
   小田マサノリ+工藤キキ+椹木野衣+山本ゆうこ
   
   近日中に、都内でのデモ行進への参加を
   計画しています。賛同してくださる方は、
   "殺すな"と書いたボードやパネルを準備
   して集まって下さい。だけど、こちらでも
   いくらか用意してますので、
   持ってこないとダメってことはありません。
   ちなみに"殺すな"とさえ読めれば、
   デザインやアレンジは自由です。
   (太鼓や笛、拡声器を持っての参加歓迎)
   いまのところ3月21日(金/祭日)を予定し
   ていますが、その前に突発的にやるかも
   しれません。時間と場所が決まり次第、
   改めて連絡します。とにかく殺すな!!!!!!!!!

3.21 デモ報告へ

  
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