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紙ジャケの歴史             評価基準へ

VICJ−5069
94年3月2日に発売された、この品番のCDこそが、 現在各社から続々とリリースされている紙ジャケの最初の一枚だ。
ジャズ界では泣く子もだまる、ロリンズの「サキコロ」である。ハイビットリマスター&オリジナルに忠実な復刻、サイズ、仕様と、すべてはここから始まったのだ。
もちろんロック界ではその前にも様々な試みがあった。91年の「ロータスの伝説」、93年の「恐怖の頭脳改革」などはその最たるもの。
しかし上記のビクターによるサキコロ、そしてそれと同時に発売されたマスター・オブ・ジャズ20Wこそが紙ジャケの元祖といっていいと思う。

その後、ジャズに始まった紙ジャケは当然多方面にも進出するのだが、さてロックの最初の紙ジャケというと、これが実は、多少事情が複雑なのである。
まず94年5月21日、米国VIRGIN製作のローリング・ストーンズ8Wが東芝EMIから発売される。これを最初にしたいのだが、現在の紙ジャケとは違う独自仕様ということで、過渡期的作品と判断した方がよさそうである。
すると、94年9月21日に発売されたELPの20bitK2ハイクォリティCD3Wが最初になる(これもメーカーはビクターだ)。
以下ビクターが94年にハロウィン(リマスターではない)、エアロスミスとリリースしている。

クラシックはちょっと遅れて、95年7月5日にPHILIPS(ポリドール)から「24bit フィリップスの真髄」と称して24Wが発売されたのが 最初だと考えられている(探検隊では)。

いずれにしても紙ジャケはビクターがそのパイオニアであり、日本コロムビア、ポリドール、SONYがそれに続くことになる。ワーナー、東芝EMIは後発に属し、97、98年ごろからようやく本格的に紙ジャケ化を開始している。ここにきてようやく各社がそろったものの、仕様やポリシーに関してはまだ玉石混交の状態だ。したがってここに我々探検隊独自の評価基準をもうけようと思う。


紙ジャケ・リイシュー度の評価基準

このデータベースでは各シリーズ単位で、
・シリーズ評価 5段階
・シリーズで1枚
・レア度

を記載している。

シリーズ評価とは、もちろん紙ジャケのリイシュー度を勝手に評価している わけだが、基準は以下の通り。
・ジャケット
とにかくジャケットの復元度。オリジナルに忠実なことはもちろん、紙質や全体のパッケージングなども対象になる。LP時代に盛んだった仕掛けジャケットは特に比較検証していきたいと 思っている。
・クレジット
次に大切なのはクレジットの有無で、紙ジャケをCDコレクションの最終形態とみる探検隊としては、これがちゃんとしていないと困る。またオリジナルLPではジャケットに記載されていたクレジットなどは、当然小さくなり、見にくくなっているわけで、転載されている方が親切である。 マスタリングに関するクレジットも重要。特にデジタルリマスターを売りにしているものが多いだけに、いつ、どんな方法で行ったのかは最低クレジットして欲しい。 名盤が多いため、自然と何回もCD化されているものも出てくる。いつのリマスターが紙ジャケ化されているのかは貴重な判断基準となる。
・解説
オリジナルライナーの訳文+書き下ろしライナーがベストだが、別に書き下ろしでなくても前のCD化の際のライナーがのっていれば不足はない。ただよく見かけるのはオリジナルライナーのみというもので、 これだと懐かしいのはいいのだが、どうしてこれが名盤といわれているのか、初めて買った人にはとんとわからなくなってしまう。
・歌詞及び対訳
ほとんどのものはすでに存在している筈で、通常のCD化の時と同様であれば十分。 あった方がいいがまぁないものを無理に作る必要はないといった程度。
・レーベル
レーベルの問題は複雑だ。もちろん本物のLPコレクターはレーベルでモノを見分けるわけであるが、紙ジャケの場合はそんなにこだわる必要はないと感じる。 もちろん、レーベル/帯なども含めて復刻しているシリーズには敬意を表したい。
・リマスター度
デジタルリマスターを売りにしているものは、やはり音質も大きな評価基準となる。
・ボーナストラック
この問題は複雑。何回目化のCD化なのだから、オマケをつけようというもの。オリジナルの構成にこだわって、つけないもの。両方ともありである。 これは元々のLPの性質にもよるので何ともいえない。ジャンルや年代によっても意義が異なってくる。だから評価の要素としては小さいのだが、どうでもいいボーナストラックで オリジナルの完成度をブチ壊しているようなリイシューだけはもちろん問題外となる。
・価格
クォリティと価格のバランスはやはり評価したいと思っています。
・セレクション
シリーズにおけるセレクションの仕方も重要だ。昨今、紙ジャケは売れないし、返品できないといったことで入荷しない小売店が増えている。これは、同一アーティストを名盤から駄盤まで含めてシリーズ化してしまうレコード会社や、 どれが売れてどれが売れないかわからずに発注してしまうレコード店に問題がある(レコード店はちょっとかわいそうだけど)。この問題は探検隊の存続にも関わるわけで、厳しく評価していきたい。

そこでシリーズで1枚というコーナーを設けた。
現在よっぽどのシリーズでなければ、売り切れているのは1〜2タイトルに限られる。どれが名盤で早めに購入した方がいいのか、指針となればとてもうれしい。 もしレコード屋さんが発注の時に気にかけてくれたら最高にうれしい。(でも探検隊の趣味がはいっちゃってるからなぁ。保証はないんですが)。

レア度
探検隊の調査結果に基き、シリーズ中でも手に入りにくいものをあげている。探検の次期もあわせて記すようにしている。 現状人員的にも地域的にも貧弱なので、もし情報などがよせられることが あったら、どんなささいなものでも貴重な資料となることだろう。
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