●「巨人大鵬卵焼き」で、子供時分から成人するまでジャイアンツが好きだった。テレビの野球中継は巨人戦が大半であったので、自然と好きになってしまった。

●長島や柴田、高田や末次、堀内に王。テレビに繰り返し登場するので、好感を持って見ていた。大学一年の自動車運転中に、ラジオから王選手引退のニュースが流れた。

●当時は阪神や阪急、南海、近鉄と関西に四球団、比較的近い所では広島に中日があったが、それでもそういうチームのファンになる術を知らなかった。阪神球団もかつては大阪タイガースと名乗って、球団事務所も大阪市内にあったが、今は兵庫県西宮市が本拠である。

●加えて南海はダイエーに買収してもらったので、九州の球団になってしまい、大阪球場も今はない。その後「どついたるねん」という映画を大阪球場の中に建てられたテントの中で観た。小拙が日常のアレコレに流されているいつの間にかに、大阪の球団は近鉄だけになってしまっていた。

●九州に行ったホークスは、福岡ドームを拠点にシーズンを通して全主催試合がほぼ満席という、強いファン層を有している。南海時代の名残か、大阪にもホークスのファンは多い。それに倣ったのか、来年からファイターズが札幌の球団になる。東京ドームを拠点にするよりも確実に強いファン層が得られるとは思うが、東京のファイターズファンのことを思うとかなり辛い。

●そんなこんなで、小拙は1992年頃から突然猛牛ファンになってしまったのである。バファローズを応援せずして何が大阪人か、と。当時はまだ大阪ドームはなく、藤井寺球場で主催試合を開催していた。「藤井寺球場」と聞くだけでイカにもマイナー感が漂うのは気のせいか。

●小拙が近鉄ファンになる前の1989年に近鉄はパリーグで優勝している。この時の監督が仰木監督である。しかし日本シリーズでは勝ち越せず、12球団の中で唯一未だに日本一になっていない。小拙は88年の「10.19」事件もオンタイムでは知らなかった。

●その後、佐々木監督となったが、この人は「旧式」の監督であった。最近では石毛監督が「旧式」で、契約を残して解任されてしまった。王貞治は巨人の監督時代には「旧式」であったが、奥さんが病気をされた時分から「新式」に転向した。

●「旧式」は名選手上がりの監督に多く、「巨人の星」式のスパルタ(死語?)指導を強要する。彼ら自身はそうしてやってきたし、それ式で昇華できた。監督となって今の選手にそれが通用しなくなっているのは、石毛監督の解任でより明確になったかと思う。「新式」の監督はワンマンではなく、コーチ陣の使い方が巧い。

●王監督が巨人を指導していた時の眉間には深い皺が刻まれていた。野村某しかり。現在の王監督は完全に「新式」になっている様に思う。現役監督の中では、ベイスターズの山下監督が「旧式」に該当しているのかもしれない。

●「旧式」、「新式」は勿論小拙の勝手な区分であるが、監督の年齢が若いから「新式」とは限らない。石毛監督自身は旧式の練習方法で昇り詰めた人だ。そういう人を選んだ球団サイドに責任がある様に思う。石毛氏自身にそんなに非はない。

●佐々木恭介という前任のバファローズ監督や、元阪神の中村監督は名選手でもなかったのに全くの旧式であった。しかも在任が長過ぎた。しかし2000年に就任した島根県出身の梨田監督は全く違っていた。

●梨田監督が就任して二年目の2001年、大阪バファローズは12年ブリに優勝した。まだ直近のことなのではあるが、読者諸兄諸嬢はとっくに忘れておると思われるので改め書きをした。いやはや。

●その優勝が決まった試合には小拙も大阪ドームに居た。劇画の原作者でも書かないシナリオ「三点差で負けていて、9回裏2アウト満塁から代打者がグランドスラムを決める」を北川という阪神から来た捕手がやってしまった。「代打逆転満塁サヨナラ優勝決定本塁打」という奴である。

●これには流石に驚いた。大阪ドーム全体が歓声や狂声で震えた。この5万人の中にはレギュラーのファンに加えて、阪神のファンなどがかなり混じっていた。大衆とはそんなものなんだろうが、小拙は阪神が優勝するからといって甲子園には行かない。

●この試合やその後の日本シリーズもそうであったが、八方手を尽くして入場チケットが入手出来ず、ダフ屋から高額で買ったりして入場した。5万人で満員札止め状態なのに、バックネット裏の一番良い席にかなりの空席が目立った。

●ダフ屋から法外な高額の券を買ってまでして入場したり、あきらめて帰ったりするファンが居る一方で、高額な席券を貰って無駄にする人間も居る。あまりの無情さに無常を感じた。

●シーズン中のかなり良い席を何十万円か何百万円かを出して、企業などが年間シートを買う。シーズン中でもその辺りに来る客はまともに野球など見ていない。自分で買っている訳ではないからそうなるのであろう。佐藤雅彦の『毎月新聞』にも似たような話があった。

●優勝決定戦でも日本シリーズでもそこは空席であった。企業が誰かに贈って、そのままになっているか貰った奴がダフ屋に売りつけている。そこに観客が居ようが居るまいが、観客動員数にはカウントをされる。もうそんなことは止めにしてはどうなのだろうか。本当に野球を観たい人の事をもう少し考えて欲しい。

●2003年のシーズンから大阪ドームでもやっとファールボールが貰えるようになった。今更流石に恥ずかしかったのだろう。このことについてどこにも発表していない。アメリカなどから比べると50年以上遅れている。遅れ具合にもホドがある!

●「近鉄バファローズ」は数年前に「大阪近鉄バファローズ」に球団名を変えたのであるが、阪神が大阪タイガースに戻す前に「大阪バファローズ」に変更をしておかなければいけないと思う。そういう意味では、広島球団とマツダは偉い。

●福岡ドームでやるホークスの主催試合をホークス贔屓のケーブルテレビ局が放送をする。そのチャンネルでしか見られないので、対バファローズ戦の時は仕方ないので見る。

●凄いのは、例えばナイターの場合、午後6時から9時半の試合終了まで生中継して、午後10時から再放送をする時があることだ。更に凄いのはホークスが負けた試合の再放送は、例えば前日などの勝った試合を再放送として流す。信じられない。

●とまれ、大阪バファローズとタイガースが日本シリーズをするには、ジャイアンツ、ホークス、ライオンズに意外な故障者が出た今年しかない。


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