●高校と大学で軟式テニスに打ち込んだ。軟式テニスは日本人の発明で、本気テニスを基にゴムマリでダブルスのみの大変面白いスポーツに仕上がっていると思う。最近ではソフトテニスと呼んで、シングルもあったり、国際大会もあるという。

●ガットの張りが弱くなると張り替えをする。軟式の場合は張力が弱いので、自分で張ることもある。運動具店に丸くまとめたガットが並んでいて、ブルジョア金持ちは値段の高い「ゲイキン」を買い、その他大勢は「ナイロン」を買った。

●「ゲイキン」とは「鯨筋」で、鯨の腸製ガットの呼び名であった。ナイロンよりも弾力に富み、イメージに近い弾道を得ることができた。恐らく現在でもナイロンは機能面でも代用にしか過ぎないと思う。文楽人形の仕掛けにも鯨のガットが使用されている。

●大阪のおでんは「関東煮」と書いて 「カントダキ」と呼ぶ。 関東煮には「コロ」が欠かさず入っていて、みんなの、特に子供の大好物であった。味も食感も良いし、決して上品ではないが、見事なダシと脂も出す。大阪の食文化を代表し、象徴するものであった。

●コロは鯨の皮下脂肪を絞ったものだと思うが、本当に滋味があった。本来はあれがなかったら関東煮とは言えない様に思う。皮肉にも大阪にある常夜燈という「関西煮」の店のメニューにコロがあって、一片千円である。今や気軽に食べられるものではない。悔しい。

●国際捕鯨委員会(IWC)の1982年の総会で商業捕鯨が禁止され、日本でも87年捕鯨漁期より商業捕鯨を中止したそうだ。それ以降は調査捕鯨のみか。

●『勇魚』という鯨漁師の話を描いたC=W=ニコル氏は、元来捕鯨や鯨文化を容認し、推奨する立場で発言をしてきた。しかし日本側が提出する鯨の数などのデータにあいまいな部分があって、それ以来はどちらの立場でもない、という。

●かつて『わんぱくフリッパー』というテレビドラマがあり、『イルカの日』という映画があった。リリー博士などの研究により、70年代はアメリカでクジラ・イルカ類の頭の良さが啓蒙されていった時代か。

●そういうアメリカもかつては大量に捕鯨をしていたという。19世紀からはメルヴィルの『白鯨』が象徴する様に、アメリカは、航海既得権と海洋資源確保の為に自然と対峙してきた。アメリカの捕鯨の目的は脂をとることであり、日本やノルウェーの様に鯨全体を使う文化は無かった。

●石油の普及等で、鯨油が不要となり、アメリカに捕鯨の必要性が無くなった。そしてその後反捕鯨の立場を強くしてきた。近年の IWC総会では、アメリカが捕鯨産業や水産業にほとんど関連の無い加盟諸国を金や政治力で抑え、反捕鯨の票を多量に得てきた。今年の総会もそうであったという。

●例えば宗教的な事由で牛や豚を食べない社会や国家があっても、他国や他信仰者にそれを強制はしていないし、する道理もない。わざわざ鯨を食べなくてもよかろうに、などという論理は文化論以前の問題の様に思える。

●誰が捕鯨の問題と環境問題をくっつけてしまったのか。正義のアメリカは、鯨を殺すなという代わりに人はよく殺す。その辺りの論理が小拙には判らない。核を持ち、京都議定書には異義を唱え、牛を食い、鯨を食うなというアメリカがよく判らない。個々のアメリカ人には理解者が多い様に思うのだが、アメリカ国家となると判らなくなる。ロビイストが多いのか。

●小拙は以前ネット上で、やはり捕鯨問題に絡んで、小松正之氏の『クジラは食べていい!』(宝島社)という本を挙げた。反応は速い。曰く「その本はトンデモ本に指定されているので、そんな本を参考にした意見など論外である」と。

●トンデモ本に指定されたかどうかなんて知らない。少なくとも小拙はこの本からグリーンピースの悪事等様々なことを学んだ。大体「トンデモ本」指定とは誰がどこでするのか。

●イルカとクジラの種別は特にないらしい。大きさの違いで言い方を変えている。沖縄では小さな湾にイルカを追い込み、撲殺形式で漁をする。湾がイルカの血で真っ赤に染まるそうだ。沖縄流ジビエ料理の現場の風物詩である。

●もし本当にこれまでと同様にクジラやイルカの頭の良さが証明されず、それでも絶滅の危機に晒されているから捕鯨は駄目である、という論には絶対数の把握は必要であろう。

●しかしもし本当に頭が良いということが判った時には、本当にそれを食べてはならないのであろうか。ひょんなことから牛や豚の頭の良さが証明されたらどうするのか。そういうことを普通差別と呼ぶのではなかろうか。

●一説によると、ミンククジラの個体数が増えすぎて、補食する魚の量等の点だけで?E?考えても既に捕獲されるべき時機にあるという。日本は IWCから脱退をしないのであれば、ニコル氏などからも信頼を再度得られるだけの高確度のデータを出し続けるべきではないか。

●クジラとイルカに差がないのであれば、我々は比較的反捕獲運動が手薄になっていて、固体数も決して少なくないイルカを食うしかない。小さいだけで味は変わらないのであろう。むしろマトンよりもラムが旨い様に、より滋味深い可能性が高い。

●ペナントレースをつまらなくさせている、ベイスターズという球団は、やはり再び「ホエールズ」を謳うべきなのではないか。

●アメリカ(人)は「鯨は食べるものではなく、眺めるもの」と考えているという。どういう教育を受ければそういう思考になるのか。


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