●衆院選挙投開票の日、静岡・草薙球場でプロ野球「パリーグ・オールスター東西対抗戦」を観た。球場の駐車場は関係者専用になっていて、周辺に駐車施設がひとつも無く、2km離れた県立美術館まで停めに行った。「駐車場なんか無い。どこにあるのかも知らない」という球場係員の態度は、車で大阪から日帰りで来ている我々には大変に堪えた。

●この草薙球場というのは、由緒あるもの。かつて「日米野球」がここで行われていて、あの台湾沖で戦死した沢村栄治とベーブルースが、ここで対戦したこともあるという。

●静岡はサッカーの国なのか、パリーグを代表する選手が多数集まっているというのに、狭い球場には目算で1万5千人。公式入場者数は2万7千人であったが、それはこの球場の収容可能人数である。あの西宮タイガースを破って、ホークスが日本一になってもいるのに。

●近隣の少年野球チームが、ユニフォーム姿で十組ほど観戦に来ていた。試合前にその子たちの選抜者が、プロの選手から指導を受ける短時間のイベントもあった。彼らは自軍の戦友がプロの選手から指導を受けている時も、試合中もその後もずっと誰に咎められることなく、プロの選手に「ボール下さい」と大声で叫んでいた。

●彼らを観戦させる目的は何か。野球というスポーツの素晴らしさを、プロ選手の動き、戦略と采配、球の速さ、応援の面白さ、など「野球」というものの全体の中から改めて全身で感じ取ってもらうことなのではないのか。キャッチボールの仕方ひとつでも幾つも発見がある筈である。発見がなければ嘘だ。シーズン中ではないので、選手のモチベーションも「親睦」モードであるとはいえ、指導者は何を考えているのか。

●大阪近鉄からも、7〜8人の選手が参加したが、観覧席とグラウンドの構造上、選手たちは我々のかなり近くに来る。興奮して一人で騒いでいるのは小拙であった。斜め上のおとっつあんは、紙を見ながら岩隈選手のことを「イワスミ」とか言ってるし。

●可哀相なことに、松坂とシリーズに出たホークスの選手以外は全く知られていない。大阪ドームと違いここでは一朗や松井等の海外組の方が有名である。パ・リ−グもケーブルテレビでは、放映してるのではある、が。

●ホークスの柴原選手も出場していた。先日朝日新聞のオピニオン紙上に載った甲子園で日本シリーズ第4戦を観た塚本玲子氏(67)の文章を思い出した。彼女は狂騒極まるライト側外野席から初めて柴原選手を見た。

●その時、アリアス選手が死球を受けた。ライト側の客から「何やっとるねん」「気つけんかい」という野次が飛んだ。柴原選手はスタンド側に向き、帽子をとって頭を下げた、という。

●また、7回裏の攻撃前に莫迦らしい程の数の長風船が飛ぶのであるが、柴原選手はそれを拾うのを黙々と手伝っていた、という。「声」欄とはいえ、この記事は大変に価値があった。大阪では火曜の朝刊でも紙面が黄色いので、パ・リーグファンとしては大変に寂しい思いでスポーツ紙を買う。

●試合は、9対7で西軍つまり、ホークス、大阪、ブルーウエーブ連合軍が勝った。ホークスの鳥越選手のサヨナラ本塁打で試合が決まった。賞金の他、ビールや米、浜松が近いのでスズキの自動車まで貰った。ウナギは無かった。

●美術館まで歩いた。女郎蜘蛛が多い。お茶「やぶきた」の原樹がある。果物や野菜の無人店があって、小さいミカンがビニールに10個ほど入っていて、百円で買った。

●近くに登呂遺跡があって、大阪からの遠さを改めて感じた。そのすぐ横には、芹沢ケイ介(ケイは金篇に圭)の美術館もあった。ここは一度行きたいと思っていた場所であるが、今回は断念。来年は新幹線で来て、遺跡も美術館も回ろう。球場関係者の嫌な対応も見ずに済む。

●試合の前後にもアナウンスで投票に行くことを促していたが、結果は戦後二番目に低い投票率であった。別に静岡の人に恨みはないが、仮に投票にも行かずに野球観戦してるのであれば、もっともっと気合を入れて観戦しようや。人生どこで盛り上がるの。国民がコンナだから政治がアンナなんだ。選挙に出るのに金が要るのだから、こうなったら投票も有料化したら良い。

●小拙はこの静岡行きがあったので前週に不在者投票をした。辞めさせたい裁判官は別に居ないが全員に×を付けた。大阪ではやはりK党が強い。団体が動けばそれは強い。面白くない。

●参議院はそういう職があるからやっているだけに見える。衆議院議員の数も地方議員の数も半数で足りるのではないか。参議院などマイナーリーグに見えてしまう。

●FA権を取得して、条件の良い球団に買われるのは、プロとして当然だと思う。商売の巧いセリーグにパ・リーグの選手が移籍するのは、至極当然のことであろう。全国ネットの地上波のテレビに出るのと出ないのとでは、引退してからの地位にも影響する。

●小久保もローズも獲って、更に万全に思えるが、ああいう形で就任した堀内監督の下で巨人が優勝出来るとはどう考えても思えない。また、幾らカネがあっても成就できないこともある、という教訓を社会に啓蒙する為にも巨人には更なる大型補強を望む。

●帰阪して、芋焼酎を飲みながら、静岡の路上無人店で買った小さなミカンを食べた。驚くほどの甘さで本当に旨いミカンであった。


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