手のひら


 手のひらをみていた
 白いの、大きいのしわしわの

 私より偉いそれらは
 皿を洗い
 ネギを刻み
 りぼんを結び
 人をなじり
 花に触れ
 抱きしめあう

 あなたに夢がないのはどうして
 斜面を転がるのはどうして

 わたしは手のひらをみていた
 いろんなひとの指と骨のうごき
 きれいで 開いては閉じて
 まるでそれはのっぱらで
 それぞれ自由に香りたつ
 あの様々な花に似ていた
2010年2月8日号掲載

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< セレステ 朝焼け > >>

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風船は3000mも飛んで
散り散りになるんだって
ならば、わたしは飛ぶより
赤い風船になって
すべてをありのまま
すべてをあたりまえに
愛す
 
ゆるやかな上昇と下降のあいまに
p r o f i l e