特集 ELP

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●Emerason Lake & Palmer
スーパースター3人が結成したスーパーグループということだったけど、
パーマーさんがいたアトミック・ルースターって知りませんでした。
アレグロバロバロのバックで枯れ葉の上を歩く姿が早回し表示されるビ
デオを見て、これにどんな意味があるのかわかりませんでしたが、「やっ
ぱスーパーグループは違うんだな」と合点していました。グレッグ・レ
イクは若干十四歳で「ラッキーマン」を作ったとか、どうでもよい能書
きにいちいち感心するばかりでした。マルクスは二十四で『経哲草稿』
をとか、いまなら東浩紀はいくつで「庵野秀明は、いかにして八〇年代
日本アニメを終わらせたか」でしょうか。

●TARKUS
何度聞いてもあきまんせんでした。20Bit DIGITAL K2 の復刻に意味を見
いだせる一品ですよね。今でも大好きです。ELPってワンアンドオンリー
ですよね。

●PICTURES AT AN EXHIBITION
昔見たビデオではライブ画像に渦巻きの回る絵がかぶせてありました。
サイケデリックの理解でしょうが、じゃまなだけでした。『完全版・・』
ではどうなっているのでしょうか? 
『はみだしっ子』のグレアムくんがエマーソン風の「ナットローカー」
を楽しそうに弾くというエピソードは、肥大化した観念から一時解放さ
れる象徴的な話でした。再結成ELPは三原順先生に詫びないといけません
よね。

●Trilogy
評価低いです。このころ彼らも図に乗っていて何tトラック何台でアメ
リカツアー慣行といった頃です。大仰なツアー風景とその合間に安らぐ
三人の姿はブートビデオで見ることができます。楽屋で着替えるエマー
ソンの黒パンツ姿やベルボトムでフライフィッシングを楽しむグレッグ
の姿を見ると、『ミュージックライフ』みたいなノリって万国共通なの
かしら? と思うのです。


●BRAIN SALAD SURGERY
3月3日に発売された紙ジャケはここまで。
発売当日、僕は大阪へ出張していたので、部下に「これは至極大事な仕
事だから」といって渋谷のタワーレコードに向かわせたのですが、『頭
脳改革』だけ売り切れていたんです。「いまだにそういう人たちがいた
のかー」(自分の事を棚に上げて)と、
逆上した私は、「それが欠けてはこの仕事の意味がないぞ」とお客さん
を前にしながら携帯電話に向かって指示をしたのでした。
おかげさまで5件目で入手との連絡が入り出張の仕事もつつがなく終え
ることができました。『TARKUS』も大事ですが紙ジャケの愛好家として
はこれを外すわけにはいきません。ギーガーのジャケットも完全に再現
されています。エマーソンのインタビューによれば、当初ゴーゴンの前
にはペニスらしきものがあったとか。レコード会社が印刷を拒否して現
状のようになったとあります。
ここまでの5枚はELPファンなら持っていたい5枚です。別に「悪の教典
#9」がつながっている(アメリカ版はむりやりつなげていて変です)。

●Ladies and Gentlmen
これはベストアルバムですから、ここまでは買っても楽しめますよね。
「エピタフ」を挟み込んだ「タルカス」を聞いて歓喜せねば、70年代プ
ログレを堪能したことにはなりません。

●WORKS
ここまで買っちゃいましたか。でも大丈夫。
ここまで凝って録音されると20Bit DIGITAL K2も生きるようです。Sく
んはD面しか聞かないようですが、エマーソンの「ピアノコンチェルト」
とグレッグの「セ ラ ヴィ」も聞いてあげてください。ジャケットの
趣味の悪いギターを見て「終わった・・ロックじゃないだろこれ」と思
わないでください。ELPファンであればグレッグの趣味の悪さには薄々感
づいていたはずです。
僕は高校生の時に「セ ラ ヴィ」の訳詞付きラブレターをもらって喜ん
だことがあります。歌詞の内容を考えると妙な話ですが、当時僕の高校
では松山千春だとかオリビアニュートンジョンとかが席巻していて、マ
イノリティーであるロックファン同士の秘密めいた意志表示であったわ
けです。

●WORKS Vol.2
まるまる膨れあがったグレッグの「夢みるクリスマス」のビデオクリッ
プを見て、「ああ、やっぱり終わったのだな」と思うのです。

●LOVE BEACH
「賢者」、「フロム ザ ビギニング」、「スティル ユー ターン 
ミー オン」と来た人間が(何なら「セ ラ ヴィ」も入れても)、何
で「ラブ ビーチで愛し合おう」「頭上には星が輝くラブ ビーチ」と
歌えるのでしょうか。しかもこんな詩ののためにシンフィールドまで荷
担しているとは。
貧乏人だった僕は人の買わないレコードばかり買っていました。
『TARKUS』『BRAIN SALAD SURGERY』なんかは何人も持っていて、テープ
に入れてもらえたりするのですが、『WORKS』とかになるとあまり見かけ
なくなって、『LOVE BEACH』に至っては誰も持っていないのです。「で
も聞きたーい」という僕は、誰も買ってくれないレコードを購入するの
でした。したがって僕のELPのLPコレクションは『WORKS』以降なので
す。ちなみに、はじめて購入したLPはKing Crimsonの『リザード』で
した。

●IN CONCERT
あー、ここまで買っちゃいましたか。「毒を食らわば・・・」ですね。
ELPの最後の花(70人オーケストラ)と申しますか、ただただご冥福をお
祈りするばかりです。これ以降の作品に関してはさすがの「悪食コレク
ター」と呼ばれる僕でも所有しておりません。

以上(YY)

前回特集 デジタルK2を斬れ!も継続中!→こちらをどうぞ

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