FACES/A NOD IS AS GOOD AS A WINK... 紙ジャケ待望!
特集 フェイセズ/馬の耳に念仏・・



観客が増えていく? 「馬の耳に念仏」ジャケの謎?


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2005/11/19
フェイセズの紙ジャケが欲しいよ〜といっても、ワーナーさんには”馬の耳に念仏”なのか?
10月末にやっと出たと思ったら「フォーエバー・ヤング」シリーズで見事にプラケ。
しかしフェイセズは紙ジャケ向きなのだ!ファーストのミッキーマウス、セカンドの穴あきステ
ッチ、そして紙ジャケ化最後の大物ギミックジャケ「ウー・ラ・ラ」が!!

ということで、紙ジャケも出ていないのに特集を組むという、探検隊はじまって以来の掟や
ぶりなページになってしまった・・・。早く実現してくれ〜。
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なんで観客の数が違うんだ? 
... 世界中のバンド少年の希望の星−−のんだくれて、女と遊んで、ラフでルーズなR&Rをやり たおす。厳しい練習なんてとんでもない。頭なんて使わない。バカでいい加減でサイテー でいいのだ、人生はバラ色、毎日がパーティー。 ストーンズはちょっと大変そうだけど、フェイセズならなんとかなるかも! ああ、フェイセズみ たいになりたいな〜、あんなミュージシャン人生がいいな〜、というガキどもの理想の姿(い や、本人たちはけっこう大変だったとは思うんですが、イメージがねっ)。 そんなフェイセズのジャケだけに、楽しくてバカバカしいものが多い。凝ってるわけにいい加 減なのか、ラフなのか、あんまり統一もとれてない。再発になってなんじゃこりゃ?みたいに 変貌してしまったものも多いのだ。 今回は中でもヘンな、つうかなんでこんなんなってんだ?な、「馬の耳に念仏」の話。フェイ セズの中でも内容が最高だけにオリジナルとその紙ジャケ復刻がまたれるプチ名盤だ。 で、この「A nod is as good as a wink ...to a blind horse」、”めくらの馬にうなずいても 目くばせしても無駄だ”ってことで邦題の「馬の耳に念仏」どおりの訳が多いようだ。フェイ セズにてらしあわせると、「こいつらに何いってもムダ」とか「バカはほっとけ」みたいな感じ? ただ英語のことわざには「The blind horse is hardiest」 (めくらの馬が一番強い)みたい なものもあるので、フェイセズ=a blind horseとすると他のニュアンスも出てくる。 「馬の耳に念仏」って訳し方以外に、「一を聞いて十を知る」という和訳もある。なんでそう なっちゃうかよくわからないけど、”good”をどうとらえるか、ってことかな? 「めくらの馬には、うなずきや目くばせでよい=それで十分わかってくれる」みたいな? うーん、ま、なんにしろ「バカが一番」くらいで・・・。 ちなみに英盤では"Nod's"、米盤では"Nod is"と表記されている。(かんまさん、ご指摘どうもです) さて、それでは一番上の写真を今一度どうぞ! 英米盤のジャケットをならべたところだが、肝心の表紙の写真の大きさが違う。したがって 観客の数が違っている。どんどん客が増えていくではないか! ちなみに左から英オリジナル、(たぶん)英再発、米オリジナルだ。 英Warner:K56006(w/POSTER)、英Warner:K56006、米Warner:BS2574(w/POSTER) つづいてそれぞれのジャケット写真をみていくと? ... 英オリジナル?の表紙。最も写真が小さい 観客少な〜。 .... 英再発の表紙。写真は中くらい 上記と同じ大きさの写真がドイツやフランス盤でも使われているので、欧州使用の観客 数なのかも・・・。 もちろん欧州盤でも英オリジと同じ小さい写真のブツがあるかもしれないし、英オリジナ ルでもこの中くらいサイズの写真があった可能性もある。 なんだかよくわからん。 ただ写真に映っている現物は、裏ジャケの表記からみて英再発のジャケだ。 ... 米オリジナル。米盤は写真が大きく、観客数も多い 米盤はバンドロゴ(赤矢印部分)まで違う。現在ならそんなことないんだけど・・・。 しかしなぜ写真の大きさをかえたのか?やはりアメリカでコンサートをやると観客が多くて 次がヨーロッパで、イギリスでやっても客はこんなもんなんだよーってことを主張したかった んだろうか?それとも、そんなこと考えてなくて、単にいい加減だっただけ? それにしても、このジャケでライブアルバムじゃない、ってのも”らしい”というか、ヒトをおちょ くってんのかっ(って怒っても馬の耳に・・・)。 ... 裏ジャケ。ならびはおなじく左から英オリジナル、英再発、米オリジナル。 裏ジャケの写真の大きさも表同様に違う。ただし裏側は写真を拡大していっているので、う つっている人形のサイズも変わっていく。人形が増えたりすると面白かったのだが。 また厳密にいうと、縦横の比率も違うので、例えば英再発で横はじにうつっているのが米盤 ではそこまでない、といったことになっている。 ... 裏ジャケのクレジット表記部分。上から英オリジナル、英再発、米オリジナル。 一番上が英オリジナルのクレジット部分。とりあえず曲目表記のA面3曲目を見てほしい。こ の曲だけ分数表示が白文字。曲があがったのがギリギリだったのか?それとも間違っていた のか?下の英再発では他の曲と同じ赤文字になおされている。 また、英盤はどちらも「LOVE LIVES HERE」が「 LOVE LIVED HERE」と過去形になってしま っている。レーベル上の表記も過去形。 当時の邦題は「愛はここに」だったので、(いる)でも、(いた)でもどちらでもOKなのだが、そ もそもどっちにしたかったんだろう? さて、それはともかく英オリジナルでセンターにあったWBロゴは再発で左下に移動している。 写真が大きくなったせいだろうか? 英盤2種の裏ジャケだけもうちょっと詳しくみてみよう。 ... 裏ジャケ左下。上が英オリジナル このアルバムの発売が1971年12月。71年から72年にかけてワーナー系の英盤はKinney UK との関係とかもあってけっこう端境期。ちなみに1ヶ月前の71年11月にはツェッペリンの「4」 が発売。このへんの話はフェイセズでやるにはこむずかしすぎるのでZEP特集の方をごらん あれ。 ZEP特集はこちら フェイセズも前2作までのWSナンバーから、Kナンバーに変わったのがこのアルバム。写 真でわかるように後からムリヤリ墨版で入れたようなキニー・ディストリビュートのクレジッ トが入っている。再発の方はセンターからWBロゴが移動してきている。 ... 裏ジャケ右下。上が英オリジナル この、写真中くらいのブツがなぜ英再発なのか、の説明がこれ。 どちらも英MACNEIL PRESSの印刷だが、上のディストリビュートはKINNEY、下はこの 写真にあるようにWEA RECORDSとなっている。○にPのPhonogram表記(このPは出 版Publishではない)は1972になっているので、1972以降のジャケだということがわか る。英オリジナルは裏ジャケにP表記がないが、レーベル上にP1971と記されている。 また米盤も1971。 英では1972からディストリビュートがWEA RECORDSとなったのだろう。次作「ウー・ラ・ ラ」(1973)では初回からディストリビュート表記がWEA RECORDSだ。 ... 2006/12/3 追記
エーハブ船長から英盤ジャケのバリエーション情報をいただきました! 写真の大きさは中くらいですが、裏ジャケのクレジットが WEA RECORDSではなくKINNEYとなっているタイプです。 おそらく上の英オリジと再発の間くらいのジャケではないかと思います。 もちろんこれもれっきとした英オリジナルですが・・・。 船長どうもありがとうございました!
英盤のレーベル。Pは1971でKINNEY MUSICの出版 「 LOVE LIVED HERE」と過去形の悲しさ。 .... 米盤のレーベル。Pは1971でWarner Bros. Recordsの出版 「 LOVE LIVES HERE」で現在形。 このアルバムのオリジナルは英米ともに緑のワーナーレーベル。英オリジナルのマトは A1/B1で、これが最初だと思う。写真の米盤は1A/1Bだが両面1Aがあるんだろー なー。 音は英盤がやはりいい。さすがグリン・ジョーンズの共同プロデュース。録音も前作よ り格段によくなり、英盤らしい緻密で奥行きのあるサウンドが楽しめる。米盤も悪くな いがチョットほこりっぽい。ただし、フェイセズで英盤がいいのはこの3作目までで、次 作からは大差なくなってしまうのだが・・・。 英盤に文句をいうならこのKナンバーのプレスだ。前2作の英ワーナー盤はWSナンバ ーでPYEプレスだったので、ズドーンという音が楽しめるのだが、せっかく録音がよく なったのに音圧が下がったような印象。まとまりのいい音質になってしまっている。 このアルバムのPYEプレスが当時あったらどんなによかったかと思うと、またしても ワーナーをうらんでしまう。当時も今もフェイセズはレコード会社についてない・・。 さてさて、ここまで「馬の耳に念仏」の3種類のジャケについて比較したのだが、ラフ でいい加減なフェイセズのこと、もしかするともっといろんなバリエーションがあるか もしれない。ま、そん時はそん時だ、ゴメンナサイってことで許してください。 =================================================================================================================== ジャイアントポスターって、あんた・・・
... 私が、大昔、最初に買った「馬の耳」は下のブツ。 日Warner 再発P-4523W うーむ。思いっきり再発である。帯は捨ててしまっているが、たぶん1500円だか の廉価版シリーズで出たヤツだ。 ... 左日本再発、右米盤 日本版は基本的に米盤と同じだが、なんだかジャケが黒くて写真があれまく っている・・・。再発のせいかな?音は米盤にEQかけて無理矢理ハリを出した ようなギシギシした音。ま、悪くはない。 ... 日本再発のライナー部分 で、なんでこんな再発盤を出しているかというと、わたしが何枚も「馬の耳」を 買うハメになった元凶がこれだから。 ライナーの最後にこうあるでしょ、 「そして、レコードと一緒に付いている、一見、歩留脳風のジャンボ・ポスター も参考(?)にして頂きたい。」 え?ポスターってなに?そんなのついてないよ〜、という中坊の叫びが・・・(高 校生だったかな?)。で、「歩留脳風」が最初、読めなかった。これ、なんだ、ふ るのうふう?...ぽ、かな?ポ、ポル?...!! この瞬間ですね、若者の頭の中で「歩留脳風のジャンボ・ポスター」が 「ジャンボ・ポルノ・ポスター」と勝手に変換され、めくるめく桃色の妄想が渦巻 いたわけです!チクショー 解説/小清水!ついてねーぞ!! そう、再発なんでついてないのですが、解説は最初に出た時のママ転載して たんですね。いまならいい年ぶっこいたオヤジなんで、ものわかりもいいんです が、当時はくやしくて、くやしくて・・・。いつか絶対、フェイセズのジャンボ・ポル ノ・ポスター(ちがうって)、見てやるぞ、と。 ... 英盤付属のポスター これがそれ。ポルノ、ってゆうか、まぁそんな写真もまざってるのだが、どっちか っていうと、猥雑、いかがわしい、という感じだ。あ、それがポルノか。 シングルジャケのレコにつけるのはムリがあるだろ、ってくらい巨大。 ... ポスターの違い。上が英版、下が米版 このポスターも色々バリエーションがあるかもしれないが、とりあえず私が持っ ているものは英米でサイズが違い、米は少し小さい。 上の写真の下が米版。写真一つ一つのサイズが小さいため、全体でも一回り 小さいポスターとなっている。 ... クレジット部分。今度は上が米版、下が英版 米版には品番とPRINTED IN U.S.A.のクレジットが入っている(赤線部分)。英 版には見つけられなかったが、PRINTED IN ENGLANDと入っているものもあ るかもしれない。 ... 曲目解説部分。左が英版、右が米版 曲目解説のフォントも違う。米版はなんとなく印刷もあらい。 英版には赤線の部分のようなスペースが空いている。 ... 折りたたんだところ。左が英版、右が米版 折りたたむと、英版は長方形、米版は正方形になる。 英16面(八つ折をさらに二つ折)、米12面(六つ折をさらに二つ折)という巨 大さだ。曲目解説の部分とかもあるので正確ではないのだが、ゆうに300 枚以上の写真が掲載されている。メンバーがとったもの、スタッフがとった もの、あとチョコのオマケとか・・入り乱れていて楽しめる。 赤矢印部分に、のちにロニー・レイン&スリム・チャンスのジャケになった、 あの印象的な写真が見えると思う。この頃から登場してたのだ。 感慨深いなー。 フェイセズはロニー・レインのバンド。彼が中心だったからロッドのソロと併 行して活動していけたのだと思う。レインがぬけたら、ロッド・スチュアート &フェイセズになってしまったのは、だから実に自然な流れだと思う。 しかしこのポスター、若い時に妄想してたほどエロっぽくはないが、フェイ セズのバカさ、猥雑さが全快してて、ホント素晴らしい。 そもそも、こんな巨大なポスターをつけようという発想自体が、バカでサ イコーだ。 =================================================================================================================== 「馬の耳・・」の珍盤
... まー、なんかこんなもんもあります。米ラスベガス盤。ネバダ州盤ともい われてます。ハイ、どうぞ。 .... やー、馬にアメコミ風のねーちゃん。こっちのジャケの方がバカでフェイセ ズにあっているかも。 ねーちゃんの吹き出しは 「バカになにいってもしょーがないわねー」って感じでしょうか? それとも 「一を聞いて十を知るとはこのことよ」かな? いやいや、そんな感じの絵じゃないから、やはり前者? この盤、R.O.R.(RIGHT ON RECORDS)というところから出ていてR212と いう品番。レーベルにはMUSIC PROMOTIONSと書いてあります。 なんらかのためのプロモ盤でしょうか?そういやZEPにもひとをくったよう なジャケのネバダ盤がありましたね。同じ出所か。 よくわかんないのはR.O.R.なのに裏ジャケにはROTってロゴがついてる んですよねー。気にしない方がいいんでしょうね。 ... 裏には「必要なロイヤリティは払いましたよー」ってステッカーがついてま す。一応正規盤なのかな? =================================================================================================================== その他のアルバム
ついでなんで、ほかのアルバムもサクサクっとどうぞ。 「ファースト・ステップ」の米プロモ(左)と英オリジ。ロン・ウッド持っている ギター教則本がタイトルに。米盤は当初スモール・フェイセズ名義で、こ のバンド名がジャケ上部に印刷されているバージョンも存在。現行CDは その、上部にSMALL FACES表記版を使っている。 ジャケ右にいる著作権ネズミ様は昔からダイジョーブなのかー、と思って いたが、CDにもついてるから大丈夫なんだろう。 見開きで米(上)と英では写真が逆に。どっちが正解なんだ? 裏にもおネズミ様の手がどアップで。CDにもあるから、ダイジョーブなんだ ろー。 英盤WS3000の音は上でもいったように素晴らしい。 ... 「ロング・プレイヤー」ってまんまLPじゃん、てゆうセカンド。これもこっていて 昔のレコードジャケット風。英盤(左)は真ん中のレーベル部分がくりぬきで、 3方が糸でぬいあわされている。レーベルは青に銀のカスタムレーベル。 米盤(右)も真ん中穴あき。さすがに糸でぬわれていないが、茶色のテクス チャージャケに金の特色がぬられている。 英盤の裏ジャケ。 2ndでも英盤WS3011の音は素晴らしい。ブリティッシュロックの真髄を感じ させてくれる。 .... 大バカギミックジャケ「ウー・ラ・ラ」の米プロモ(左)と英オリジナル。 このギミックのバカさは、ぜひ中古レコード店で実際に試してもらいたい。 ジャケの上下をはさんで真ん中へギュッと押してみよう(ただし店員さんに しかられないようにー)。 ジャケは英盤(上)も米印刷だ。さすがにこんなバカジャケ、米で大量に製 造しなきゃコストにあわなかったんだろう。品番・クレジット部分のみ別にな っている。 英盤のカッティングも米でやったようで、米の品番がマトに併記されている。 音質は似たようなもんで、どっちがいいとはいえない。英盤の方が重心は 低いが、米プロモはじゃっかん鮮度が高く感じる。このアルバムは米オリジ ナルか?(つまらんなー)。 これまたこりずにポスターまでつけちゃってる(今度は白黒だが)。ポスター は英米で別に印刷されたようだ。しかし、サービスいいね、フェイセズ! 裏ジャケは見開きになっていて、フレンチカンカン娘のおおまた開きが! ウッドを中心にしたメンバーの表情もいい。フェイセズ、サイコー!と叫び たくなる。 なおこの部分は英米ともいっしょ。 ..... ライブLP「コースト・トゥ・コースト」の英盤。ロッド・スチュアート&フェイセ ズ名義となり、ロッドが契約していたMERCURYから発売された。 たて見開きで、レコードは上部側に収納。カラーの内袋つき。昔日本ワー ナー版を聞いた時はひどい録音だなー、と思ったものだが英盤で聞くと けっこうちゃんとしている。なんだ、よく録れてんじゃん。 =================================================================================================================== てなことで、時期をまったく無視した「馬の耳」特集、いかがでしたで しょうか。紙ジャケ化がなったあかつきには、他のアルバムも、もっと もっとつっこんでやってみたいと思っています。 それにしても、この間出たボックス、どっかで安く売ってないかなー。 <了>2005/11/19 ===================================================================================================================
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