MUKAITEN High Resolution Sound 2
無回転! ハイレゾ特集!!(2)2010/07/12 祝W杯スペイン優勝



GOD SAVE THE QUEEN は途中で消え、南アW杯の想い出は、タコとイニエスタ(顔が・・似てる?)
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2010/07/12
前回、おそるおそるやってみたら、意外と反響があったので、2回目です。

従来のCDフォーマットを超える24bit以上のデータ再生が、環境も整い手軽になってきた、
という実感のもとにはじめたのですが、皮肉なことにソフトの方はといえば、DVD-AUDIOは
すでに廃れ、SACDも一部のリリースにとどまっています(今更プレーヤーを買う気もないし)。

しかし、なぜか廃れてしまったDVD-AUDIOに関しては、WINDOWS上のDVD再生ソフト
(PowerDVD等)で手軽に再生できてしまうし、リッピングも初期のCDなみに容易になっ
てきたという、うーんなんだか、といった状況です。

(しつこいようですが、もちろんCDと同じく「個人的な範囲の使用目的での複製」に限って
楽しみましょう。)


========================================================================================= ハイレゾ配信は便利か? ... 前回は配信サイトに関してはふれていませんでしたがこちらも皮肉な状況です。 一時ONKYOとの提携で話題になったMUSIC GIANTSは休止中なのですが、HD Tracks というサイトでは続々とハイレゾ配信タイトルが増えております。 HD TRACKSのサイト
このサイト、ダウンロードチャートもあってこれがなかなか興味深い。 通常のCDフォーマットの配信タイトルの方が多いのですが、やはりベストセラーの上位 は24/96のハイレゾデータです。 HD TRACKSのチャート
クラシックやブルースはもちろん、ジャズの名盤(コルトレーン、マイルス、ゲッツ= ジルベルト)もあります。 ロックではキンクスのアリスタ時代やフランプトンの「カムズ・アライブ」もダウンロード できます。
ギィヨェ〜 フランプトンのトーキングモジュレータがうなる!
上の写真のアルバムはすべて24/96のデータ。 日本からの購入はPaypal経由で行えます。ebayとかやってて、Paypalのアカウントを お持ちの方ならあっというまに購入できます(怖いくらい)。 ダウンロードの途中で回線がコケたら、この金どーなるんだ?という心配はご無用。 あっというまにiTunesで聴けるように! (配信データはFlac形式なので変換する必要はありますけど) これはDVD-AUDIOからリッピングするより遥かにラクチンです(当たり前)。 ハイレゾで聴くキンクスの「Muswell Hillbillies」は、このアルバムの印象を一変させ てくれます。豊かに鳴りわたるアコギの音、レイのヴォーカルの息づかいにビックリ してしまいました。今まで英盤と紙ジャケCDでしか聴いたことなかったからかもしれ ませんが・・・。 あのECMレーベルまで24bitであります! まだ Charlie Haden&Keith Jarrettの「Jasmine」1枚のみ、しかも 96ではなく、44.1khzというところがこだわりを感じさせますが・・・。 しかしHD TRACKS、このまま廃れることなく頑張ってほしいとこです。 そしてアップルレーベルもビートルズ以外の配信販売をはじめる模様。 バッドフィンガーやメアリ・ホプキンが
まだハイレゾかどうかはわからないですけど、期待してまちましょう!
========================================================================================= ハイレゾの扉を開け? ... 2006年にRHINOから出たドアーズの新リミックス&リマスター盤を覚えている方も多い と思います(え?忘れた?)。 紙ジャケ版も出て、新リマスターにケンケンガクガクだったわけですが、紙ジャケは ともかく、目玉は「Perception」というスタジオアルバムを6枚集めたボックスでした。 すべてのアルバムがCD&DVD-AUDIOの2枚組仕様(計12枚)、箱には覗き穴を模したレンズ がついていて、それはいいのですが、高くて買えませんでした(泣)。 でも今や廉価版が出て、箱の仕様がレンズなし、というだけでディスク内容はいっしょ。 AMAZONでも7〜8千円で買えてしまうようになっています!
これで7,500円なら買いか?
ボーナストラックがテンコもりで、幻といわれたスタジオ版「Celebration of the lizard」 (無理矢理編集したExperimental版ですが)も収録、というドアーズの決定版BOXですが 本ハイレゾ特集での目玉は新リミックス&リマスターのステレオ音源。 オリジナルミックスがないのが残念ですが、こちら、すべて24/96です。 そして、異様なのは1stの音。これ、ホントに67年の録音なの?という常軌を逸する ナマナマしさです。特に静謐な「水晶の舟」や「アラバマ・ソング」は息をのみます。 エンジニアのブルース・ボトニックが、セカンドアルバムからスタジオがトランジスタ 仕様になって音が悪くなった、といってましたが、そーですか、これがそーですか、 真空管仕様のスタジオでとった音がこれなんですね、とミョーに納得してしまいます。 ファーストとセカンドを聞き比べるとその音質の差は顕著です。 (個人的にはセカンドの方が内容的には好きなんですが)。 もちろん私はアルバム6枚全部パソコンにとりこんで、ハイレゾ・ドアーズ一気聴きして おります。
========================================================================================= オペラ座ハイレゾの謎 クィーン畢生の名盤「オペラ座の夜」ですが、今までに2回ハイレゾがリリース されています。
どっちのハイレゾがいいのか?
写真左が2005年にでた30周年記念版。CD&DVD(VIDEO)の2枚組仕様。5.1マルチとステレオ 写真右が2002年にでたDVD-AUDIO。1枚もの。5.1マルチとステレオ 写真後ろのジャケは気にしないでください。 さて、発売30周年記念となったCD盤は新リマスターで、ブライアン・メイがこれ 以上はない、といっていたものでした。 したがって付録のDVDも5.1マルチ含めて05年新マルチ、新リマスターだと今まで思ってお りました。
クレジットをよくよく眺めてみると・・うーん?
ところが、ですね、クレジットから類推すると、どーもこのマルチミックスは同じ みたいです。ハッキリしないクレジットに苛立ちますが(ワザとか!?)、少なくとも ミックスに関してはどっちも2002年版。どっちかもってればいいみたいです。 この「オペラ座」のマルチ、昔一度聴かせてもらったことがあったのですが、「ボヘミアン・ ラプソディ」とか大変面白かったです。ただ、面白かったけど一度聴けばいいな、という か、そんな何度も聴くことはないだろーなといった感想でした。 マルチで、これはすごい、と思ったのはやはり「狂気」のオリジナル・アラン・パーソン ズ版。それと昨年リリースされたクリムゾンの一連の作品くらいです。 てなことで、「オペラ座」もマルチは無視して進ませていただきます(ペコリ)。 さてそれでは2002版からいってみましょう。
裏ジャケのハイレゾ表示はこれだけ
右が旧?02年版DVD-AUDIOディスクです。 裏ジャケにDTS24/96のロゴ表示があるように、5.1マルチ、ステレオとも 24/96で収録されています。 ただし、仕様はちょっとやっかいで、AUDIOデータとしては Title01に5.1マルチ(24/96) Title03にステレオ(24/96)が収録されているのですが、このステレオ データは31分が1トラックになってまして、曲ごとにわかれていない ばかりか、9曲目の「ラブ・オブ・マイ・ライフ」の途中(ちょうど 31分あたり)で終わってしまいます。どうやらメニューのバックで流 すために入っているようです。 肝心の曲ごとにわかれたステレオ(24/96)音声はVIDEOデータに張り付 いた形で入っているので取り出すのがちょっとやっかいです。 前回特集でもありましたが、VIDEOデータ側から取り出すツールで行う 必要があります。 さてそして、2002の30周年記念版。写真左です。DVD-AUDIOではなく DVDビデオ形式で5.1マルチとステレオのハイレゾデータが収録されて います。こちらもDTS24/96のロゴ表示があります。 ところが!あろうことか、入ってるデータはすべて24/48です!! 5.1マルチも24/48、ステレオも24/48。 おーいEMI、なにやってんだー。96ってクレジットはいったいなんなんだー!! さらにいえば同梱のCDは抹殺された忌むべきCCCDだったりします。 使えませんねー。ホント。 周波数よりbit数? しかし、聴き比べてみると24/96も24/48もあまり音質に変わりがありません。 16→24というビット数のアップの方が効果が大きく、 周波数のアップはあまり影響ないというのは、よくいわれるところですが この「オペラ座の夜」も確かにそれを感じます。 ただ、もとのソースの問題もあるかもしれません。 「オペラ座の夜」は当然アナログテープに録音されたマスターですから、高い 周波数まで入っているといっても、もともとそんなに膨大に20khz以上が収録 されているわけではないと思います。 ミックス時の問題もあります。 通常ポップスやロックのマルチトラックは1本1本が24/48で収録されている ことが多く、トラックダウンも当然24/48ベースになります。最終的に24/96で ステレオミックスを書き出したとしても、そんなに効果はないのかもしれません。 ただこの「オペラ座」の5.1マルチに関しては24/96でトランスファーされたとク レジットされていますが・・・。 最終リマスターの問題。 また2002版はCD&DVD Mastered by Bob Ludwigというクレジットが付加されています。 DVDの音声すべてなのか一部なのかわかりませんが、ボブ・ラディックが24/48のリマ スターを行ったようです。 これが音質のマイナスを感じさせない要因なのかもしれません。 したがってこの「オペラ座の夜」だけをもって周波数はそんなに影響しない、という の早計ですが、確かに聴き比べてみると、24/48で十分のような感じです。 結論としては、「オペラ座の夜」のハイレゾは、どうせPCに取り込むなら安い方でよい。 どっちか1枚持っていれば十分、ということになります。 同様にハイレゾが2種類出ていたドナルド・フェイゲンに関しては前回触れました。 「ナイトフライ」はDVD-AUDIO版もMVI版も24/48で同じですが、MVI版の方がボーナス トラックが入っていてお得です(ボートラももちろん24/48)。 同様に「カマキリアド」「モーフ・ザ・キャット」はどちらも24/96。 で、MVI版は24/96でボートラつきです。 なぜ「ナイトフライ」だけ24/48なのか謎ですが、これもおそらく元々のソースから して24/48で十分、という判断だったのかもしれません。 いずれにしてもフェイゲンに関しては、どうせPCに取り込むなら最新のMVI版の方がいい、 と思います。
========================================================================================= スティーリー・ダンのハイレゾ フェイゲンがらみでダンのハイレゾもちょっと触れておきます。
ガウチョのミチミチっとした空気感は秀逸
DVD-AUDIOディスクとしては最新スタジオ作3作がリリースされています。 「GAUCHO」「TWO AGAINST NATURE」「Everything Must Go」の3枚。 といっても「GAUCHO」だけだいぶ時代が離れていますが・・。 「GAUCHO」のステレオは24/96で収録されていて、アナログのガッツンとした 硬質な響きもすばらしかったのですが、ハイレゾ版ではさらに空気感の再現が 進み、部屋に気泡が充満したかのような独特の雰囲気が味わえます。 (でもこれも実在感はアナログの方があるんだよなー、なんででしょ?) 「GAUCHO」はSACD版も出てますが高いです。 「aja」も最近、日本にあるマスターから作られたSACDがリリースされましたが これも高いです。 そのうちファーストから「aja」までのハイレゾ音源がMVI仕様でリリースされる といいのですが・・・ てなことで第二回は終了です。 みなさんハイレゾ音源に関するデータありましたら、ぜひおよせください 評判よければ第三弾もやろうかな・・・ =================================================================================================================== <了>2010/07/14
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