PINKFLOYD
比較検証&試聴会レポート
ピンクフロイドの道はプログレッシヴの道なり その1
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たいへん長らくお待たせいたしました。サーバの移動や紙ジャケリリースラッシュで
遅れに遅れていたピンク・フロイド比較検証&試聴会レポートをUPします。

試聴会は2001年6月16日、今回も西新宿DA−NA JAPAN様の寺垣式試聴ルー
ムをお借りして開催されました。奇しくも(っていうか計画通り?)フロイド紙ジャ
ケの最終、第三期分の発売日当日。
探検隊のメンバー以外にプログレおやじ同盟の方々にも協力をあおいだ結果、集まっ
た盤の数57枚超!なんと参加者14名!おそろしい熱気で、エアコン・フル稼働でもた
ちうちできない暑さでした(みなさま汗ダラダラで申しわけありませんでした)。
1名だけだった前回のキンクス試聴会とはえらい違い。というかこれがキンクスとフ
ロイドの差か?(探検隊の仕切りミスではないかとの声もあり)。

この試聴会レポートもなんか間違い、メモしわすれなど多々あると思います。
もしお気づきの点ありましたら遠慮なくお寄せください(修正します)。

当日暑さの中参加された方は以下の通り(五十音順/敬称略)
飴爺、 una_mas班長、EXP、エンブリオ老師、じゅん、じょん爺、ねこねこ、ノイ、
はみる、BB5、ひらた、PINK、舞、紫。
みなさまどうもありがとうございました。中にははるばる愛知から参加された方も...。

てなことで、プログレ紙ジャケ最後の大物、ピンクフロイドの紙ジャケ比較検証、い
ってみましょう!
今回の紙ジャケ

とりあえず今回の紙ジャケを見てみましょう。
すべてディスクユニオンの特典、復刻日本初回帯付き。
アニマルズ以降はかつての初回帯がCBS/SONYだったせいか、特典帯はありませ
んでした。
で、今回は残念ながら新規リマスターなし。これほどのビッグ・グループになると、そ
うおいそれとはできないのでしょうが、それにしても紙ジャケ化はリマスターの時期に
あわせて欲しかったところ。以下、()内が今回の紙ジャケのリマスター年度。
TOCP65731 夜明けの口笛吹き (1994)
TOCP65732 神秘 (1992) 
TOCP65733 モア (1995) 

TOCP65734/5ウマグマ (1994)
TOCP65736 原子心母 (1994)
TOCP65737 レリクス〜ピンク・フロイドの道 (1995) 
TOCP65738 おせっかい (1992) 
TOCP65739 雲の影 (1995) 
TOCP65740 狂気 (1992)
 
TOCP65741 アニマルズ (1992)
TOCP65742/3ザ・ウォール (1994)
TOCP65744 時空の舞踏 (2-6TRACK 2000)
1992は「Shine On」BOXの時のリマスター。94/95は米CAPITOL/英EMIのリマスタープロジ
ェクトの時のもの(発売は94/96。「アニマルズ」以降の米盤はCOLUMBIAから97発売)。
また「狂気」の92リマスターは「Shine On」及び20周年記念盤の時のものだ(94リマス
ターはどうした?)。
で、何故か「時空の舞踏」が2000年!ということは去年出た新装盤て、リマスターだっ
たのだろうか?

さて当日、「ピンク・フロイドの道」などをかけながらみなさんの到着を待つ探検隊の
面々。しかしこのレコード、ほんと音悪いな(疑似ステの曲は特に)。
みなさん、ぞろぞろと集まってきて、ぞろぞろとフロイドの盤が供出されていく。なん
かすごい量。しかもフロイドばっかし、って当たり前か。なかには日本公演を見た!と
いう人もいて、それもなんかすごいぞ。緊張する探検隊員。自己紹介の時にプログレお
やじ同盟の方をチェック。うーんこれは下手なこといえないなぁ、なんて思いつつ試聴
に入る。

時間内に検証スケジュールをクリアしなくてはならないとのことで、レコード係の隊員
Sはじゃっかん緊張気味。持ち寄っていただいたレコードをすべてかけることはできる
のか?いや、それより無事「ウォール」までたどり着けるのだろうか?
寺垣式プレーヤーの前に正座して気持ちをひきしめる隊員Sであった。
試聴用機材に関してはこちらをどうぞ


コロムビア・リリース
フロイドの最初の3枚は英コロムビアからのリリース。ビートルズと同じくEMIの傘
下で、スタジオもこの初期からほとんどアビーロードを使用して録音されている。
なのでビートルズを例にとればUKオリジナルの音はきっといいはず!

The Piper At The Gates Of Dawn/夜明けの口笛吹き
左上から(末尾の<>内はご提供者)
1.UK Columbiaオリジナルモノ SX6157(67年8月 コーティング・フリップバック、青/黒レーベル)<隊員Y>
2.UK Columbiaオリジナルステレオ SCX6157(67年8月 コーティング・フリップバック、青/黒レーベル)<舞>
3.JP Odeon初版ステレオ赤盤 OP8229<エンブリオ老師>
4.US Tower初版ステレオ ST5093(67年10月 オレンジレーベル)<舞>
5.UK EMI リマスターモノ(97年 見開き)<隊員Y>
6.JP EMI再発ステレオ EMS50104 ROCK GREATEST帯(80'S?)<隊員S>
7.CD:? 前のCD?(すいません...)<ねこねこ>
8.CD:JP 紙ジャケ<隊員W>
9.CD:UK EMI リマスター・モノ・スペシャル・エディション 7243-8-59857-2-0(97年)<ねこねこ>
10.GER Columbiaステレオ(ライトブルー・レーベル)<ねこねこ>
とりあえず「星空のドライヴ」で聴き比べ。最初の部分だけでもUKオリジナルの精気は凄い。
グイグイ迫ってくる感じ。赤盤は平面的だ。CDでは紙ジャケよりモノ・エディションの方が
いい。サージェントペパーズのとなりで録音したこのアルバム。ビートルズ関係者の発言を援
用すれば、この時代までアビー・ロード・スタジオのモニタースピーカーは 1本だったとのこ
とで、やはりモノMIXを聴く方がいいのか?
1.UKモノのレーベル
黒地に青のデザイン。上の音符マークの下に"MagicNotes"と記された伝統のコロンビア・マジッ
ク・ノーツレーベルである。英盤ではこの後この表記は消えたようで、レーベル自体に人気が
あるとのこと。確かにこの盤には魔法がある。なんか今や平気で3万くらいするようなんだけ
ど(えっ?5万?)、ブリティッシュ・サイケ好きにとっては高くないかもしれない。シドの
天才も爆発。そのヴォーカルがもっともリアルなのもこの盤。

2.UKステレオのレーベル。こちらも音質の鮮度の面では捨てがたい。

3.赤盤「サイケデリックの新鋭」。帯がついていればこの日の最高額フロイド盤の栄誉に輝いた
ことは間違いない。とりあえず紙ジャケのユニオン特典帯で小市民の喜びにひたりましょう。
B面ラストに「エミリーはプレイ・ガール」を追加収録。ステレオ盤だが、何故かこの曲だけ
モノMIXのように聞こえる(エコーかけただけ?)。日本盤はこの後の再発も「エミリー」
つきだが、音はものひどくなっていく。(迷邦題「恋の聴診器」はいつからか消えます)。

4.USステレオ盤のレーベル。これがオリジナルで2ndレーベルはマルチカラーのタワーレーベル
になるとのこと(マルチカラーってどんなの?)。「エミリー」入りで曲目/曲順ともUK盤とは
違う、当時の米盤らしい別ヴァージョンだ。

5の1997再発モノ盤のレーベル。UKオリジナルモノと両方所有している隊員Yは、「オリジナ
ル」聴くといらなくなる、とのこと。確かに音の生々しさが格段に違う。

9のドイツ・コロンビア盤のレーベル。当日は時間の関係で試聴できず...。こういう盤が多く、
持ってきていただいた方にはたいへん申し訳なく思っております。すいません。

この他ファーストではギルモア入りの写真を使ったイタリア盤が有名です。

さて集まったみなさん、比較用の選曲が悪かったのかなんかアキアキといった感じ。このアルバ
ム、プログレじゃないしな。また「ヴォーカルが聴けないとねぇ」の声も..。
ということでちょっと趣向を変えて、「エミリー」のUKシングルなどを聴いてみる。

UK COLUMBIA DB8214"See Emily Play/The Scaecrow"<隊員S>
うぎゃ〜凄い音。当時の英EMI系列のシングルは音がいいので有名だが(ビートルズのおかげ?)
その例にもれず、これも素晴らしい。バスドラ含めた中低域の迫力、ヴォーカルのでかさ、
間奏のシドのサイケギターがこれほどクッキリとした音像で迫ってくるのもこのシングルだけだ。
とくにソロの最後、危うい高音域をつたっていく様は息を呑むよう。もちろんモノMIX。
ヴォーカルの前の”ダ・ダーン”のキメは沈みこむ感じで、ここはステレオMIXの方が派手か?

このシングル、普通のヤツは3000〜5000円くらいなのだが、ピクチャー・スリーヴつきのプロモ盤
になると、かる〜く10万の大台は突破してしまうという代物。たいしたピクチャーではないのだが...。
とても手のでない人々のために出たのが下の紙製ジャケットによるシングル集。

UK EMI CDEMD1117 "1967 THE FIRST 3 SINGLES"<隊員S>
UK SEE FOR MILES SFM7"Tonite Let's All Make Love in London...Plus"Mini promotion CD Sampler<隊員S>
写真の下の方にならんでるヤツの左がそれ。モノのシングルヴァージョンで収録。前面に初期3枚
のプロモ・ジャケをあしらっているのはいいのですが、裏面はバーコードで肝心の「エミリー」の
裏ジャケが隠れてしまっているのが惜しいところ。右上の白黒の汽車ポッポの絵が「エミリー」です。
ちなみに見開きジャケ。
右は2年ほど前に完全版がでたサントラ、「愛と幻想の一夜」のサンプラー(ポスタースリーヴCD)。
フロイドの曲だけ楽しみたいならこのサンプラーがお手頃。「星空のドライヴ」の初スタジオテイク
完全版が聴けます。

さてこのファースト関係、参加されたノイさんの感想では、”UKモノだけ別格”とのこと。うーん
やはりそうですか、でもあの値段、買いたくなった人、います?ちなみに写真の盤、隊員Yが買った
時は円高でもあり、6000円程度だったそうで、いいよなぁ。
後は、”アルバムではないが、エミリーのシングルが印象に残った。ヴォーカルが大きくて いかに
もシングル向きのミキシング。それよりなによりカッティングレベルが異常にデカい”とのご感想。
そうなんですよねぇ、カッティングレベル高いんですよねぇ。音を聴いてそれが感じられちゃうくら
いなんですから。ブリティッシュ・サイケ・ビートの名曲としてヒットしたのも、このシングルをき
けば納得。
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しかしファーストだけでこんだけ分量があるのか、この先、気が重いぞ。

A Sauceful Of Secrets/神秘
左上から(末尾の<>内はご提供者)
1.CD:JP 紙ジャケ<隊員W>
2.UK Columbiaオリジナルモノ SX6258(68年6月 コーティング・フリップバック、青/黒レーベル)<隊員Y>
3.UK Columbiaオリジナルステレオ SCX6258(68年6月 コーティング・フリップバック、青/黒レーベル)<舞>
4.JP EMI再発ステレオ EMS白帯<ねこねこ>
5.JP Odeon二版?ステレオ赤盤 OP80282<隊員S>
シドが3曲で参加している神秘。といっても「ユージン〜」はギターのみだが。最近はこのアルバム
がたいへん好きである。特にUKモノを聴いてとりこになってしまった。
ということで試聴曲は「ジャグ・バンド・ブルース」の最後、シドの弾き語り(オイオイ)。モノと
ステレオではヴォーカルのエコー感がまったく違う。モノの妖気あふれるヴォーカルの生々しさ、ホ
ントこの人アブナイわ、って感じ。引き込まれます。5のJP赤盤は他のステレオとミックスが別に聞こ
えた、という感想があったほどエコーが深いです。この時代の日本盤はフロイドに限らずエコーがきつ
めではあります。
ドクター・ストレンジ
美しくコーティングされたカバーはヒプノシス最初期の作品(初?)。赤で囲んであるところがマー
ベル・コミックのキャラクター、ドクター・ストレンジ。いつも不思議に思うのは、この60年代末か
ら70年代のUK盤ってなんかマーベルのキャラ使ったジャケが多いこと。積極的に使ってくれって、
マーベルがいってたのか、それとも権利意識がなかったのか(にしては未だに使われているが)、す
ぐにOKが出たんでしょうか?UK盤マーベルの謎ではあります。

More/モア
1.UK Columbiaオリジナルステレオ SCX6346(69年7月 コーティング・フリップバック、銀/黒レーベル、緑/西向き裏ジャケ)<隊員Y>
2.JP Odeon ステレオ黒盤 OP80165<隊員S>
モアに関しては上記2種をご用意しましたが、当日は聴けず。オリジナルの「ナイルの歌」はけっこ
うエグイ迫力があります。

日本盤は見開きでカラーブックレットが綴じ込まれていました(最初の邦題は「幻想の中で」とかなんとかいうヤツ)。

本特集のタイトルに使われた「Pの道」コピーがのっている帯。ちなみに同時期に出た「原子心母」
の帯あおりは、「ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道」で、
ロックの文字が入っております。

あ、で、紙ジャケのことすっかり忘れてた。このコロンビア・リリースの3枚はすべて、コーティ
ング・フリップバック。紙ジャケではもちろん再現されています。ビクター紙ジャケのフリップバ
ックの方が、幅や厚みで再現度は高いです、というか印刷に詳しい人によると、フロイドの紙ジャ
ケはアメリカ式ジャケットの紙の折り方をしているようで、イギリス式フリップバックを再現する
とこうなってしまうとのこと。

オリジナル盤のフリップバック。

コロンビア時代のUKオリジナル3枚、とそのレーベル。

裏側。「モア」の初版は緑色でカップル西向き。70年代の再発盤には色が黒になったり、カップル
が東向いてる裏焼きのジャケなどもあるようです。
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ハーヴェスト・リリース

ウマグマから、フロイドのリリースは新興のハーヴェスト・レーベルに移動。といっても同じEMI
系列なのでメンバー本人達にとってはレーベルを移ったという意識はさしてなかったかもしれません。
ハーヴェスト自体、末期はフロイドのアルバムを発売するためだけに存在しているようなレーベルと
なっていきます。したがって本人たちの意識はともかく、フロイドといったらハーヴェスト、ハーヴ
ェストといったら....。
(上の写真は何故か牛が2頭いますが、単なる撮影ミス。気にしないでください)。


Ummagumma/ウマグマ 1.UK Harvest SHDW1/2(69年10月 コーティング・見開き 1st/Gramophoneレーベル)<舞> 2.UK Harvest SHDW1/2(69年10月 コーティング・見開き 2nd/EMI Recordsレーベル)<隊員Y> ウマグマも2種用意しましたが、当日は聴けず(申し訳なし)。ただし、このアルバムに関してはオ リジナルにまさるものはなさそうで、聴くまでもありません。なんかオリジナル・テープの状態がひ どいようで、あのモービルが1994に発売を計画していながらあきらめた、という話もあります。 CDは過去のもの、リマスターともオススメできません。 上の写真、赤で囲んであるのが、映画「gigi」のサントラLP。米盤などは権利の関係で真っ白につ ぶされてしまった時期もあります。最近EMIにもどって、また使用できるようになったようです。 ジャケはヒプノシス。ハッセルブラッド500Cというカメラで撮ったものだそうで、独特の質感があ ります。紙ジャケでは色味やコーティングも再現されています。 2種類の盤を比較するマトリクス鑑定団の舞さんとはみるさん。やはりグラモフォンレーベルの方が 溝の彫りが深い、と音質まで目で鑑定してしまいます。ショックをうけているのは今までずっとオリ ジナルを所有していると思いこんでいた隊員Y。 「え〜、オリジナルなのに、2ndってどういうこと?ちがうの?だって品番もいっしょだし、カバー もコーティングされてるし、「gigi」だってうつってるし、なにしろ店のヤツが”オリジナル”って いって売ってたんだよぉ〜。」 「2ndっていうか、もうちょっと後の盤かもしれませんね」 「ひょえ〜、ここに持ってくるんじゃなかった〜」 え〜、イヤな話です。世の中知らない方がいいことは多いです。 舞さん所有のGramophoneレーベルの方。レーベルの左上周辺部のクレジットがGramophoneではじまって います。ここがEMI RECORDSになっていたら後期のレーベル。ただし、このレーベルもなぜかEMIマ ークが真ん中あたりについています。うーんなんだろ。よくわからんぞ。 このへんのレーベルの問題はビートルズほど進んでいないようで、中古盤屋やネットショップなどでも 区別されずにどちらもオリジナルとして売られています。お店で検盤させてくれ、といって盤の傷など には目もくれず、レーベルやMatrixに目を凝らしている人を見かけたら 「音変わりませんよ」 と、一声かけてくやしさを晴らしてみるのもいいでしょう。 ただし今までの例からいって、音は確実に違います(なんのこっちゃ)。 Atom Heart Mother/原子心母 左上から(末尾の<>内はご提供者) 1.UK EMI 7243-8-59861-1-6(97年 リマスターLP)<隊員S> 2.JP Odeon初版ステレオ赤盤 OP80102<ねこねこ> 3.US MobileFidelity AnaDisc200 MFSL1-202<舞> 4.UK Harvest SHVL781(70年10月 見開き 2nd/Gramophoneレーベル/Matrix2U)<隊員Y> 5.UK Harvest SHVL781(70年10月 見開き 1st/Gramophoneレーベル/Matrix1U)<じゅん> 右端上から 6.CD:JP 紙ジャケ<隊員W> 7.CD:US MobileFidelity UltraGoldCD UDCD595<隊員S> 8.CD:? 前のCD?(すいません...)<ねこねこ> フロイドはもちろん、ヒプノシスのブレイク・ポイントともなった「原子心母」。印象的な牛 の名は「ララベル三世」。キューブリックが「時計仕掛けのオレンジ」で使いたいとオファー した逸話も残っています。ま、今聴くとB面のサイケ・フォークの方がよかったりします。 音質に関してはモービルとUKオリジナルの一騎打ち。 リマスターLPは前に一度寺垣式で聴いたことがあってダメなのはわかってるので除外。分離 や高低域は整えられているが平面的で彫りが浅く、まったく迫ってきません。 ノイさんからは、JP赤盤は予想外によくなかった、モービルはCD/LPともモービルらしい音 でよかった、やはりファーストUKが別格との感想がよせられています。 モービルは確かに低音域にコシとねばりのある重厚な音を響かせてくれました。LPの方はANA DISC200という200グラムの重量盤。重いからといって音がいいわけではないのですが、この盤 に関しては重いだけのことはあるな、って感じ。CDも遜色ありません。 さて、別格のUKオリジナルですが、今度こそGramophoneレーベルだし、オリジナルだと思っ ていた隊員Yを再び不幸がおそいます。 なんとレーベルまでまったく同じなのに、隊員Yの盤はMatrixが2U、じゅんさんに持ってき ていただいた方は1Uだったのです(このサイトによく出てくるMatrixというのはレーベルの 外周に刻まれた番号。多くの場合、マスターのナンバーをあらわしています)。 「え、これ、2ndなの?ど、どうして?」 「レーベルまではいっしょだったんですけど、Matrixナンバーがね。この番号が若い方が初版 ですよ。アルバムによっては1Uがなくて初版が2Uや3Uなんてこともありますけどね」 「ちくしょ〜、1Uがあったのかぁ」 ということで再び絶望の淵に沈む隊員Y。しかも、1Uの方がジャケの色味が繊細との指摘も あり、 「たんなる日焼けでは...」 という隊員Yの言葉も虚しく、1Uの方が2Uより印刷がいい、初刷りだ、と鑑定されてしまい ました。 奥が深すぎるぞ、初版さがし。 隊員Yはここに持ってきたのが運のツキ、ともうイジイジモード。 当然最後は1Uの方を試聴。いいですねぇ、音がたってます。でも録音があらいのもよくわか るな。 2の赤盤。辛い評価もありましたが、リマスターLPやCDよりはまし?帯付きは今やけっこうなお値段。 3モービルのレーベルは基本的に白いんで面白くはありません。 グラモフォン UKオリジナルのグラモフォン・レーベル。赤い部分がチェックポイント。この原子 心母、ピンク・フロイドにTHEがついてるのも印象的です。 あ、そうそう、CDなら紙ジャケよりモービルの方がやはり音がいいです。しかもリ マスターより前のCDの方が音が自然でいい、という意見もありました。紙ジャケ、 かたなしです。 でも94年のリマスター盤で初登場した「アランのサイケデリックな朝食」のレシピは 、今回の紙ジャケの解説にも掲載されています。このへんはうれしいところです。 この曲、UK盤のLPではマトリクスによってエンドレスのものとそうでないものが あるとのことです。また4チャンネル盤もエンドレスであるとの情報をいただきました が未確認。 ====================================================================== そろそろ1曲通して聴きたい、という参加者の希望もでてきますが、委細かまわずスケ ジュールをこなし続ける隊員S。果たしてこれでいいのか? Meddle/おせっかい 左上から(末尾の<>内はご提供者) 1.UK Harvest SHVL795(71年11月 テクスチャー・見開き 1st/Gramophoneレーベル/Matrix1U)<隊員Y> 2.JP Odeon黒盤 OP80373<ノイ> 3.JP Odeon初版赤盤 OP80373<エンブリオ老師> 4.US MobileFidelity MFSL1-190(Limited Release)<はみる> CD上から 5.CD:US MobileFidelity UltraGoldCD UDCD518<舞> 6.CD:JP 紙ジャケ<隊員W> 「吹けよ風、呼べよ嵐」「エコーズ」などが収録された「おせっかい」。 このアルバムから録音のクォリティが急に良くなったようにきこえます。 ひとつひとつの楽器をじっくり音決めしてしっかりとっている感じ。 前作が売れてスタジオ時間に余裕が生まれたせいでしょうか? フロイドが初めて16トラックで録音したアルバムでもあります。 またこのジャケ、初めて見たときは馬かなんかの鼻の穴か、と思いました が、耳だったんですね。 こうして開いて縦にするとよくわかります。なるほど、耳。 車座になってチェックする参加者の面々 さて受難の続く隊員Yのオリジナル盤ですが、 「いやぁ、これ2ndですから..」 と、すでに自信崩壊、警戒モードに突入。 ところがところが、この「おせっかい」に関しては鑑定の結果、1st、初版 と認定されてしまいます。 グラモフォン/EMI1マーク しわしわの際だつテクスチャー・スリーヴ。GramophoneレーベルでMatrixも1U。 嬉々とする隊員Yを一瞥して盤をかける隊員S。 たしかにいい音で、「吹けよ〜」のペダル・スティールがじつに流麗。しかも 彫りが深い感じ。「エコーズ」もエコーのもととなる最初の1音「ピイィーン」 が違う。今まで聴いてきたのと違うよ〜。いろいろな倍音成分をもった音で、 この音を卵として、長大な曲が生成していくのが納得できる音です(ってちょっ といれこみすぎだな、ベートーベンじゃないんだから)。 4の旧モービルLP(限定版で、けっこう入手困難)も素晴らしい音。ノイさん もモービルはLP/CDとも意外といっていいほどよかった、としております。 マスターがいいのでしょうか?オリジナルのマスターがよければ当然リマスター も威力を発揮するわけです。 ところが、紙ジャケの92リマスターはヘコヘコのボソボソ。紙ジャケでもここま でで最悪の音質ではないかというくらい。いったい、どうしたの? 日本盤は黒・赤とも今まで通りの感じでした。 しかし、この赤盤。「おせっかい」の赤盤というのは探検隊は初めて見ました。 すごい、さすがプログレおやじ同盟!すごいぞエンブリオ老師!(で、なんで老師 なんですかね?) フロイドではこれが最後の赤盤でしょうか?それとも「雲の影」にもあるのかな? 4のモービル。聴いて楽しい音の快楽。しかしあいかわらずそっけないレーベルだな。 さて、今回の紙ジャケ、最初に書いたように「時空の舞踏」が去年のリマスターという ことで、「吹けよ風〜」で比較する企画に突入〜...のはずが、紙ジャケ担当の隊員W が大ポカでこの日「時空〜」の紙ジャケを持参せず。 ということでおながれとなってしまいました。 A Collection of Great Dance Songs/時空の舞踏 US COLUMBIA HALF SPEED MASTER HC-47680 <はみる> はみるさんにハーフスピード盤まで持ってきてもらったのに...すいません。 ちなみに今回はフロイドの全モービルと全ハーフスピードがそろったというおそろしい 試聴会だったのです。 Obuscured By Clouds/雲の影 左上から(末尾の<>内はご提供者) 1.CD:JP 紙ジャケ<隊員W> 2.UK Harvest SHSP4020(72年6月 テクスチャー・ラウンド・エッジ 1st/Gramophoneレーベル)<じゅん> 3.UK Harvest SHSP4020(72年6月 テクスチャー・ラウンド・エッジ 後期EMI RECORDSレーベル)<隊員Y> 「いや、これは違いますよ、きっと。オリジじゃないですね、これはね、お店で買う 時からあやしいな〜って思ってたんですよ...」 あいかわらず自分の持ち込んだ盤に対する自信のない隊員Y。 で、今回はその通り、けっこう後期のレーベルだということに落ち着いた。 じゅんさんの方はしっかり初版(左。赤字部分がGramophone)。右は後期EMI。 しかもジャケの色味がかなり違う。テクスチャー・スリーヴで角が丸くなっているのは 同じだが、色が白いというか、鮮やかなのである。 初版がすべてこうなのかどうかはわからないが、確かにこっちの方がきれい。 ちなみに紙ジャケは隊員Yの後期の盤と似た色味であった。 EMIレコーディングス/EMI1マーク TYPE1、TYPE2 レーベルやマトリクスの研究が進んでいるビートルズを参考にすれば、グラモフォン ・レーベルは 72か、73年の最初くらいまで使われていると思われます。ピンクフロ イドに関しては狂気の初期盤までは使われていたもよう。 EMI RECORDSクレジットのレーベルには色々なタイプがありますが、とにかくグラモ 、グラモと念じつつ中古盤屋に入っていけば間違いはないでしょう(無責任)。 で、またしても聴かずにすっとばず隊員S(おい、聴かなくていいのか?)。 「も、いいから狂気、いきましょう!」 <続きは次回へ> ====================================================================== てぇ、ことで、<その1>はここで終わり〜、って、オイ、ここで終わってどうすんだ! 今までさんざん待たせといてそりゃないだろう?って声がエコーズにように響いてきますが....。 だって、暑いし、掲示板壊れてるし、ボブ・マーリィZIPPOだし...、 すいません!!<その2>までしばらくお待ちください! 次回は大物めじろ押し! DSOMは、こんなんなっちゃってます。 ではどうぞ その2へ 予告編へ 次回果たして、「狂気」3000万枚の頂点にたつのは? 乞うご期待! eメールはこちら
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