p r o f i l e

でんしゃにのっていたら なつかしい はるちゃんのにおいがした。 わたしは かおをあげると そのにおいのほうをみる。

はるちゃんは いつもおでかけのまえに むねのところ ふくのうえから こうすいをかけた。
かいものをするときも さんぽのときも ふたりのりのじてんしゃも せっくすのときも いつも おなじ やさしいにおい。

とつぜんむねのあたりが きゅーっとなった。
きんちょうした。 ぜったい ここに はるちゃんがいるはずないって わかっているのに。

やさしかったはるちゃん。

そして どうじに わたしは なお のことをおもう。
きのう なおは わたしを しばった。
うでと むねのところだけだけど。
わたしは すごくかなしかった。
むかし おなじことを ちがうかれとしたことがある。
でも なおのまえでは うそをついた。
しばられたことなんかない っていった。
じぶんでも なんで うそをついたのか わからない。
ただなおからしばっていい?
そのことばを きいたことが とても かなしかった。

はじめのころは なおが わたしにしてくる どんなに えっちなこともしんせんで たのしかったのに。
こんどは ちがってた。
わたしのあたまは すぐに むかし なおが おなじようにしばって せっくすしたであろう まえのおんなのひとのことを かんがえた。
いままで そんなこと おもいもしなかったからそんなふうにおもう わたしの こころに おどろいた。
かなしい きもちは どんどんふくらんでいく。

わたしは しばられた かっこうで ひざをつく。
あおむけになった なおの かおが わたしの あそこのしたにある。
なおは わたしの くりとりすをなめる。
したを なかに いれてくる。
せなかのあたりが ぞわぞわいう。
いしきが とおくなるのが わかる。

そして やっぱり わたしは かなしかった。
こうしているあいだ なおの かこに はげしく しっとする。
いまは わたしだけ って わかってても やっぱり。

やさしかった はるちゃんのにおいにむねを しめつけられるように なりながら

わたしは やっぱり かくじつに なおを すきになっていることを しる。

2003.01.24(金)



2006年11月27日号掲載
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