銀幕ナビゲーション-喜多匡希

ドラゴン・キングダム

【ジャッキー・チェン&ジェット・リー
ダブルJ龍虎の激突!!】 あとで読む

ドラゴン・キングダム
© 2008 J&J Project LLC

 ジャッキー・チェンVSジェット・リーという映画ファンが長年抱いてきた願いが今ここに叶えられた。しかもハリウッド製アクション・ファンタジー大作として世界中に発信されるのだ。これを快挙と言わずして何と言おう。

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  ブルース・リー亡き後の香港映画界を牽引してきた両雄は、90年代後半にハリウッドに進出した。その契機となったのは、ジャッキー・チェン主演の香港アクション『レッド・ブロンクス』(1995)の全米公開時ボックス・オフィス1位デビューという快挙。ここで、ハリウッドは香港アクションという金脈を発見したのである。その後、ジャッキー・チェンは『ラッシュ・アワー』(1998)で堂々のハリウッド映画の主役に招かれ、ジェット・リーは『リーサル・ウエポン4』(1998)の悪役に抜擢され、ともに大ヒットを飛ばした。偶然にも、この2作品の製作は同年。今から丁度10年前のこととなる。この年には、香港映画界の大スター:チョウ・ユンファも『リプレイスメント・キラー』(1998)でハリウッド進出を果たしたが、“亜州影帝”の異名をとる彼でさえ、ハリウッドの頂点を極めるには至っていないのだから、ジャッキー・チェンとジェット・リーの成功は紛れもない快挙。以降も、2人はそれぞれ古巣である香港と新天地であるハリウッドを股にかけ数々の作品に出演し続け、現在もトップ・スターとして君臨し続けているのだから凄い。
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 そんな2人の共演はこれまでにも幾度となく噂されたが、いずれも実現するには至らず、ファンはその度に期待と落胆の往復を味わったものだ。それだけに、今回その夢が実現した喜びもひとしおというもの。

 本作は、気弱なカンフー映画オタクのアメリカ人青年が、ひょんなことからファンタジー世界に迷い込み、2人の師匠を得て冒険の旅を繰り広げつつ成長していくという物語。『西遊記』を下敷きにしているが、筋立てそのものはオーソドックスなもので新味はない。しかし、どれだけ使い古されたプロットでも、そこは料理人たるスタッフの腕次第だということを本作は教えてくれる。骨の髄からカンフー・アクションの見せ方を理解しているアクション監督のユエン・ウーピンと撮影監督のピーター・パウを迎え、『ライオン・キング』『ホーンテッド・マンション』など誰もが楽しめる明朗快活な作品作りで定評のあるロブ・ミンコフ監督が見事にまとめあげてみせた。

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 ジャッキー・チェンがのっけから懐かしの酔拳を披露すれば、ジェット・リーも負けじとデビュー作の『少林寺』を彷彿とさせる僧衣姿で登場するなど、ファンにとっては感涙もののくすぐりが随所で炸裂する。その後は、目にも止まらぬ大アクションの大盤振る舞い! そこに出し惜しみなどはまったくなく、観客の望んでいるものを存分に提供してくれる。ストレス解消にもってこいの一大活劇に仕上がった。

ドラゴン・キングダム  http://www.dragon-kingdom.jp/

原題『THE FORBIDDEN KINGDOM』

2008年 アメリカ 105分 配給:松竹
監督:ロブ・ミンコフ
出演:ジャッキー・チェン、ジェット・リー、マイケル・アンガラノ、コリン・チョウ、リウ・イーフェイ、リー・ビンビン、モーガン・ベンワー、ほか

【上映スケジュール】
7/26(土)〜
東京:新宿ピカデリー、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、丸の内プラゼール、ほか  
大阪:梅田ピカデリー、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、ほか
京都:MOVIX京都、イオンシネマ久御山、ワーナー・マイカル・シネマズ高の原
兵庫:神戸国際松竹、MOVIX六甲、OSシネマズミント神戸、シネパレス山陽座
そのほか、全国一斉ロードショー

2008年7月21日号掲載 このエントリーをはてなブックマーク
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