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referer/金水 正

この合州国での事件は、アリエル・シャロンと彼の政府に更なる軍事攻撃の実行を許すという直接的な危険性をはらんでおり、それはパレスチナの民衆にとって現実的な脅威そのものだ。イスラエルが非武装の民衆に対して行ってきた超法規的な死刑執行や追放措置、包囲といった諸政策は、より安全な世界を実現するための努力などではなく、国家テロそのものなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

炭疽菌(Bacillus anthracis)。本来は牛、馬、めん羊などの草食動物に感染して、炭疽と呼ばれる激烈な急性敗血症死を引き起こし、家畜伝染病に指定されている。まれに雑食獣、肉食獣、ヒトにも感染する人獣共通の感染症である。通常は芽胞の付着した草を食べた家畜が感染し、敗血症となり死亡する。このとき出血が著しく、死体が黒く見えるので、炭疽と呼ばれた。ヒトには、動物を介して感染する。

より、何回かに分けて、先のアメリカにおける「同時多発テロ」についての、複数の立場の人たちによる表明を転載しています。これらのテクストはAMLというメーリング・リスト(富山大学の小倉利丸氏が主宰する社会運動の情報交換のネットワーク)のバックナンバーからとられたものです。興味のある人は、直接サイトに当たられると良いでしょう。
http://www1.jca.apc.org/aml/

戦争抵抗者連名の声明
オルターナティブ・インフォメイション・センター
ヤン・ムーリエ・ブータン
スラヴォイ・ジジェク
エドワード・サイード
中村哲

 

**** 以下引用 ****

今回の件に関して、「Al-Awda」という、これはアラビア語で「帰還」という意味なのですが、つまりはパレスチナ問題に関連するメーリング・リストに、イスラエルの反シオニスト左派の運動体の一つである「オルターナティブ・インフォメイション・センター」からの声明が投稿されていました

 以下は、これの翻訳です。


〔出典:インターネット上のメーリング・リスト 「Al-Awda」/2001年9月12日〕

市民に対する
非人道的なテロ攻撃を非難する

署名:オルターナティブ・インフォメイション・センター

 国際主義の意義、そして人道主義および民主主義の価値を基盤として設立されたオルターナティブ・インフォメイション・センター(Alternative Information Center/以下、AIC)は、2001年9月11日に起きた、ニューヨーク市の世界貿易センターに対するテロ攻撃を拒絶するとともに、強く非難する。

 被災者たちがまだ救出されておらず、死んだ人々の遺体が埋葬されてもおらず、この攻撃に責任があるのは誰なのかについての確証もないにもかかわらず、二次的な一団の犠牲者を創り上げようとするプロセスが、すでに開始されている。人種差別主義に反対する世界サミットが終わってから数日しか経っていないというのに、一切の証拠もなしにアラブの人々とイスラーム教徒たちをテロリストであるとして告発するべく、このテロ攻撃が利用されている。前のイスラエル首相であったバラクとネタニヤーフが、今回の事件に関連して、中東の「テロリズム」に対抗するためには特別の軍事力を用意する必要性があるのだと指摘しながら、世界中のメディアを前にして練り歩いているのだ。我々は、オクラホマ市での爆弾事件でアラブの人々とイスラーム教徒たちが標的とされ、そして非難されたことを思い出すべきだ。この事件を起こしたのは、アラブの人々やイスラーム教徒たちではなく、合州国の極右であった。

 イスラエルでは、その政府と軍、メディアが今回の悲劇的な事件を、自由と独立を求めるパレスチナ人たちの正当な闘争を抑圧するために利用している。この合州国での事件は、アリエル・シャロンと彼の政府に更なる軍事攻撃の実行を許すという直接的な危険性をはらんでおり、それはパレスチナの民衆にとって現実的な脅威そのものだ。イスラエルが非武装の民衆に対して行ってきた超法規的な死刑執行や追放措置、包囲といった諸政策は、より安全な世界を実現するための努力などではなく、国家テロそのものなのだ。こうしてイスラエルは、安全で確固とした大地の上に生きるという、全ての人々が当然に持つ権利を危険に晒している。

 合州国における今回の複数の攻撃は、西欧諸国のヘゲモニーと被抑圧諸国との間の関係性が変化することの前兆であり、グローバリゼーションの下での世界秩序の再編過程における、さらなる一里塚である。こうした諸国家の関係性の中での変化は、中東世界におけるイスラエルの軍事行動の激化を背後から支援するとともに、パレスチナの民衆に対する、更なる抑圧的な行動を正当化するであろう。

 AICは、人類のための正義と安全が、力を持たない民族やコミュニティに対する社会的・経済的・政治的な抑圧によって達成されるなどということは不可能だと考える。全ての人々にとっての自由と正義は、全ての人々に対して「生まれながらにして持つ尊厳の承認、平等かつ奪われることのできない諸権利の承認」が確保されることによってのみ、達成されるのだ。AICは、世界人権宣言で確認されているように、こうした諸原則のみが「世界の平和と正義、そして自由の実現」に向けた確たる基盤であると考える。

 植民地主義と帝国主義の貪欲さ、非白人諸国での非人道的な抑圧、そして地球上での制御の不可能な戦争は、野蛮で無差別な暴力の時代へと人間性を導いてきた。今日、世界中の民主的な諸勢力にとって、社会正義と自由、そして民主主義を実現する闘争において互いに手を携えることが、これまで以上に緊急に求められている。真に民主的な諸勢力にとっては、野蛮さを克服し、普遍的な価値として「基本的人権を確信し、そして人間の尊厳と価値、男性と女性の平等の諸権利を確信し」、そして「より広範囲な自由の下でのより良い生活と社会の進歩を増進する」、そのような新しい時代へと転換し得るような社会的・政治的な構造を、その社会の内部に建設することが必須なのである。

               
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