茨城文学賞受賞のこと 
塚本敏雄

 港にて 
塚本敏雄

 ビタミンPぐらいでいいかな 
柴原利継

 死──現在に至る継続 
本多 寿

 パパの鋳型 
椏月ライチ

 変容と不変 
慧厳

 〈境界〉をめぐって 
安宅久彦

 80'sのブースを越えて 
吉田直平

特集にあたって

電藝が塚本敏雄を特集するのは2001年夏以来のことである。
 
これは第2詩集『リーヴズ』(思潮社)の発行記念ということであったから、このたびの第3詩集『英語の授業』(書肆山田)が上梓されるまでにわれわれは5年を待ったということになる。慧厳氏が指摘するように、この2冊は大きく色合いを異にしているのだが、5年という時間は、また、われわれを取り巻く世界が変容していく時期でもあった。塚本敏雄自身の活動も微妙に変化してきている。詩人がそのように時を乗り越えていくのを、筆者は美しいと思う。
いま、その言葉が読者諸兄姉の胸に届くことを願い、ここにふたたび、特集をお送りする。
なお、電藝に掲載された塚本敏雄の詩作品(それぞれの詩集に収録されたものもあるが、詩集では基本的に手が加えられている)は、ここで読むことができる。

2006.7.10電藝編集部 吉田直平

(2006.11.12追記)塚本氏の茨城文学賞受賞を記念して、原稿を2点追加した。   

英 語 の 授 業
塚本敏雄

定価*2400円 書肆山田 刊
ASIN: 4879956724

(腰帯より)
はじめてweとtheyを教わった日に
<彼ら> と <ぼくら> の間に
ひろがった酷いような距離。
──ぼくは考えあぐねている
…今この時、
遠い空の下で
彼らの体に何かがぶつかる。
ぼくらの体を支えきれない
悲しみが揺さぶる。
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