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★★★第9回 2006年紙ジャケグランプリ★★★
憲法を世界遺産にと太田が吼え、
日経新聞の「春秋」欄で日本一の長寿バンドとして
ムーンライダーズが讃えられた2006年。
紙ジャケも文化遺産としてエスタブリッシュメントされ、
ついには横尾忠則が復刻に参加、
新聞や一般週刊誌にまで広告が出稿されるに到った。
いつはじけるのか明日をも知れぬ紙ジャケ・バブル・・・、
そのひとつの到達点として、2006年のグランプリに輝いたのは、
もちろんこのプロダクツです!!
GRAND PRIX 2006


ソニーミュージックダイレクト
「サンタナ紙ジャケ」
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総評

 9回目の大賞はサンタナ。これはもう議論の余地なく決まった。
 探検隊をはじめた98年当時、紙ジャケで是非復刻してもらいたいものがいくつかあった。
 ビートルズ、デッカのストーンズ、ボブ・ディラン、ジェフ・ベック、そして、サンタナ。
 これらの大物は、リマスターの許可を下ろしてくれない、日本独自の紙ジャケ仕様も許してくれないなど、なかなか条件が厳しいが、今回のサンタナは、ビートルズやストーンズと比べると権利上の制約が少なく、まさに紙ジャケ化に向きのアーティストで、ソニーとしても、満を持しての制作だったと思われる。
 しかし、紙ジャケ化向きとはいえ、やはり「ロータスの伝説」の22面体ジャケに手をつけるのは、相当に勇気がいることだっただろう。この作品に関しては、中途半端は許されないからだ。
 制作の経緯については、HIGH-HOPESの「管理人のひとりごと」コーナーで臨場感をもって逐次報告されていたため、記事を読んでいた紙ジャケファンの我われには、どんなプロダクツに仕上がるのか事前に分かっていた。しかし、発売後、我われが手にしたしたものは、予想を超える素晴らしいものだった。
 封を開け、ジャケをひとつ、ひとつめくっていくと、サンタナ曼荼羅が現前していく。東寺の仏像群が空海が描いた立体曼荼羅ならば、ロータスの伝説は、横尾忠則が32年前に描いた紙芝居的曼荼羅である。チープ・スリルであ〜る。
 高いという意見もあるが、しょうもないプラケ3〜4枚買うなら、これを買った方がよい。そう思わせるだけの説得力のある仕事だと思う。

 グランプリのサンタナ以外の各部門賞では、選考に難儀した。紙ジャケの再現度は、探検隊のホームページを始めたころと比べかなりレベルアップし、差が縮まってきている。どちらかというと、再現度というよりは、ネタの良し悪しで判断したものが多かった。
 一人のアーティストでは商品化(CD化)が厳しいものを、一定のテーマで括り、紙ジャケ化することで、新しいファンを開拓する。そんな手法が定着してきた。
 ネタがどんどん“奥の細道”化すると、一部のファンしか、本物のオリジナルを見たことのないような作品が紙ジャケ化されるようになってくる。正直言って探検隊も、オリジナルを拝んだことがないものが多くなってくる。そうしたことから、各部門賞の順位決めには、ネタの切り口と実際にセレクトされた作品群への評価という観点も、かなり入っている(そして、もちろん、探検隊の好みもネ)。

 2007年は、年明け早々からボウイ、ポリスなど大物が登場する。鬼籍に入った我等がジェームズ・ブラウンも、追悼ということでリマスターが進み、再度紙ジャケ化されるかもしれない(出すときは、急がずきちんとリマスターしてほしい!!)。
 また、その一方で、“奥の細道”、“秘境探検”的な紙ジャケも多く登場するだろう。大半のファンがオリジナルを見たことのないようなレアな作品が紙ジャケ化される時、問われてくるのは、制作者側の文化的な良心になってくると思う。音楽流通はダウンロードが主流になるのは自明のことだが、その中でなぜCDで出し、紙ジャケにするのか、それはやはり20世紀に作られたアナログ盤の当時の姿かたちへのオマージュであり、当時の制作者に対する敬意の表明であるからだ。予算とのせめぎ合いで大変だと思うけれど、レコード会社の担当者の方々には2007年も是非頑張ってほしいものである。
 それでは、部門賞をご覧ください!!(W)

2005年グランプリ/2004年グランプリ/2003年グランプリ/
2002年グランプリ/2001年グランプリ/2000年グランプリ/
1999年グランプリ/1998年グランプリ


ROCK/POPS
部門賞
ソニーミュージックダイレクト
「サンタナ紙ジャケ」
(サンタナ、カルロス・サンタナ)
06年5月3日、05年6月7日発売分、計10W
次点
ユニバーサル ミュージック
「ストレンジ・デイズ・プレゼンツ
ロック・レジェンド・シリーズ」
(ソフト・マシーン、アンドウェラ、ブラック・キャット・ボーンズほか)
06年1月18日、4月26日、12月13日発売分、計28W
3位
ソニーミュージックダイレクト
ソフト・ロックの名盤
(ミレニウム、ブルース・ジョンストン、サークルほか)
06年3月24日発売分、4月19日、9月20日発売分 計23W
4位
ビクター エンタテインメント
「STIFF K2HD オリジナル・ジャケット・コレクション」
(ドクター・フィールグッド、ルーモア、レイチェル・スウィートほか)
06年3月15日発売分(第1弾)、10W
5位
ソニーミュージックダイレクト、
ユーバーサル ミュージック 
2社共同企画
「“British Rock Explosion”第2弾」
(モット・ザ・フープル、イアン・ハンターほか)
06年7月5日、06年7月5日発売分、計13W
6位
インペリアル・レコード
「ストレンジデイズ・プレゼンツ ピート・タウンゼント」
(ピート・タウンゼント)
06年2月22日発売分 11W
7位
ソニーミュージックダイレクト
東芝EMI
2社共同企画
「エレクトリック・ライト・オーケストラ
ペーパー・スリーブ・コレクション」
(エレクトリック・ライト・オーケストラ、ザ・ムーヴ)
06年9月20日発売分 計7W
8位
東芝EMI
「サウンド・ピクニック 紙ジャケット・シリーズ」
(デイブ・ベル・シンガーズ、フォーキング・カズンズ、ほか)
06年3月23日発売分、5W
9位
ユニバーサル ミュージック
「ユニバーサル ミュージック プレゼンツ 名盤の殿堂シリーズ」
(デイブ・メイソン、マーク・ベノ、ロン・デイヴィスほか)
06年2月22日発売分、12W
10位
エアー・メイル・レコーディングス
「ブリティッシュ・カルト・レーベル・コレクション」
(サムライ、クリス・ハーウッド、サラマンダー他)
06年6月21日、06年7月26日発売分、16W
11位
キャプテン・トリップ・レコード
「コンラッド・シュニッツラー
紙ジャケット・シリーズ」
(クラスター、コンラッド・シュニッツラー)
06年4月5日発売分、7W
12位
ストレンジ・デイズ・レコード
「ブリティッシュ・ロック・マスターピース
パート12」
(ドノヴァンほか)
06年7月26日発売分、9W
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JAZZ
部門賞
Pヴァイン・レコード
「クリフォード・ジョーダン/イン・ザ・ワールド」
(クリフォード・ジョーダン)
06年10月20発売分 1W
次点
ボンバ・レコード
「ブラジル音楽の名盤セレクション
紙ジャケ復刻シリーズ」
(ジョアン・ドナート、ソニア・ローザ、ルイス・エサ、タンバ・トリオほか)
06年3月〜10月発売分、6W+
3位
ユニバーサル クラシック&ジャズ
「FROM EUROPE WITH JAZZ 3」
(白木秀雄クインテット&スリー琴ガールズ、
ノビ・シンガーズほか)
06年1月25日発売分、10W
4位
ビクター エンタテインメント
「渡辺貞夫 K2HDリマスターCD」
(渡辺貞夫)
05年5月24日、6月21日発売分、計8W
5位
ミューザック
「MODE ペーパー・スリーブ・コレクション Vol.1」
(リッチー・カミューカ、ハービー・ハーパー・セクステットほか)
06年12月22日発売分 計5W
6位
ビクター エンタテインメント
「名盤復刻紙ジャケ・コレクション 第3弾」
(エルメート・パスコアール、アイアート・モレイラほか)
06年10月21日発売分 計7W
7位
ソニーミュージックダイレクト
「生誕80周年・没後15年特別企画
マイルス・デイビス紙ジャケ復刻ベスト30 第3期」
(マイルス・デイビス)
06年11月22日発売分 計10W
8位
ワーナーミュージック・ジャパン
「ATLANTIC JAZZ 紙ジャケット・コレクション」
(ジョン・コルトレーン、ローランド・カーク、MJQほか)
06年11月22日、12月20日発売分 計40W
9位
SSJ
「シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン・プリゼンツ・シリーズ」
(ジョニー・ホリディ、ペリー・コモなど)
06年12月20日発売発売分 計7W
10位
ワードレコーズ
「WARD/Enja 名盤復刻シリーズ第1弾」
(ハル・ギャルパー、ケニー・バロンほか)
06年8月23日発売分 計10W
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CLASSIC
部門賞
BMGジャパン
「タッシの時代 コンプリートRCAレコーディングス1975-1981」
(タッシ、ピーター・ゼルキンほか)
06年11月22日発売分 計8W
次点
ソニー・ミュージックエンタテインメント
「クラシック復刻館 紙ジャケ・シリーズ 第1期」
(小澤征爾、ユージン・オーマンディ、岩城宏之ほか)
06年10月20日発売分、10W
3位
コロンビアミュージックエンタテインメント
「高橋悠治コレクション」
(高橋悠治、佐藤允彦、富樫雅彦ほか)
06年6月21日発売分、13W
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J-ROCK/POPS
部門賞
ソニーミュージックダイレクト
「戸川純関連紙ジャケ」
(ゲルニカ、戸川純、戸川京子、上野耕治ほか)
06年2月22日発売 9W
次点
ソニーミュージックダイレクト、日本クラウン
BRIDGE、Super Fuji Discs/DIWなど
「ムーンライダーズ30周年記念リリース・シリーズ」
(ムーンライダーズ、はちみつぱいほか)
06年10月25日、10月25日、11月8日、11月23日、11月28日発売など 11W
3位
ワーナーミュージック・ジャパン
「AKINA NAKAMORI 紙ジャケット・コレクション」
(中森明菜)
06年6月21日発売分 17W
4位
ソニーミュージックダイレクト
「矢沢永吉 紙ジャケット」
(矢沢永吉)
06年11月15日発売 9W
5位
ソニーミュージックダイレクト
「シーナ&ロケッツ」
(シーナ&ロケッツ、鮎川誠、シーナ)
06年1月18日発売分 6W
6位
キング・レコード
「遠藤賢司」
(遠藤賢司)
06年2月8日発売分 2W
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海外/その他の部門
部門賞
Pヴァイン・レコード
「黄金時代のB.B.キング 紙ジャケット復刻コレクション」
(B.B.キング)
06年11月17日発売 5W
次点
ユニバーサル ミュージック
「VIVA! bacharach バート・バカラック紙ジャケット・コレクション」
(バート・バカラック)
06年6月21日発売 10W
3位
BMGジャパン
「シルヴィ・バルタン
60s マスターピース・ペーパー・スリーブ・コレクション」
(シルヴィ・バルタン)
06年10月25日発売分 6W
4位
ビデオアーツ・ミュージック
「デヴィッド・T.ウォーカー Odeレーベル 世界初CD化」
(デヴィッド・T.ウォーカー)
06年12月20日発売 3W
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話題になったで賞
部門賞
ユニバーサル ミュージック
「ザ・ローリング・ストーンズ in the 60's 紙ジャケット・コレクション」
(ザ・ローリング・ストーンズ)
06年3月16日発売分日発売分 計22W
次点
ソニーミュージックダイレクト
「デビュー30周年記念 ボストン紙ジャケ」
(ボストン)
06年7月19日発売分 2W
3位
フェリシティ、ピー・エス・シー
「フリッパーズ・ギター」
(フリッパーズ・ギター)
06年8月25日発売分 計2W
4位
BMGジャパン
「ルー・リード・ペーパー・スリーブ・コレクション」
(ルー・リード)
06年8月23日、9月20日発売分 計18W
5位
WHDエンタテインメント
「Discipline Global Mobile キング・クリムゾン」
(キング・クリムゾン)
06年2月月22日発売分 計9W
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紙ジャケ特典大賞
ディスクユニオン
06年1月18日発売の
「ソフト・マシーン」(ソフト・マシーン)の
別ジャケット及び帯2本
ユニバーサル ミュージック
「ザ・ローリング・ストーンズ in the 60's 紙ジャケット・コレクション」
06年3月16日発売分 全22タイトル購入者特典
特製収納ボックス+「ベガーズ・バンケット」別ジャケット
+特製サンプラーCD
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夢の紙ジャケ賞
部門賞
ソニーミュージックダイレクト ソフトロック第三弾
「クライミング・スターズ」
(ゴールドブライアーズ)
06年9月20日発売 1W
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ユニオン紙ジャケ賞
部門賞
ロクス・ソルス、ディスクユニオン
「ディス・ヒート 紙ジャケ」
(ディス・ヒート)
06年1月21日、4月21日、5月26日発売分 3W
次点
ロクス・ソルス、ディスクユニオン
「ヘンリー・カウ コンサーツ」
(ヘンリー・カウ)
06年10月25日発売分 1W
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選考を終えて

ご意見はこちらへおよせください。
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