新聞の号外まで出たアイドル ユニットSPEEDの不可解な解散は、結局のところ月給 500万円を棒に振って男を選んだ島袋寛子の単なるわがままであったことは、今では誰もが知っている事実である。矢口真理の場合も状況は全く同じだろう。

 彼女はアイドルであること、そしてアイドルとしての彼女を応援するファンよりも男を選んだわけだ。その潔さは清々しくさえある。

 矢口は書面で“アイドルと呼ばれることが誇りであり、自信にもなっていました。でも、今回の騒動で私はアイドルとしての自分を裏切っていました。それはきっと、私が変わろうとしているのだとも思いました。本当にごめんなさい”とファンに謝罪した。
 脱退は俳優・小栗旬(22)との熱愛が明らかになったことを受けてのものだが、ファンの中には“恋をしててもいい”と矢口の復帰を求め、(コンサート)会場外では署名活動を行う姿であふれた。
 すでに、ファンの間で復帰を求める署名活動が行われ、約2500人が署名した。今後も増え続けるとみられ、随時、所属事務所に提出するという。

サンスポ(4月11日)ならびにデイリースポーツ(4月17日)

 問題は事実関係は本当にこれだけなのか? ということなのだ。昨今、アイドルと言えども昔ほど厳しい管理下に置かれることはなくなっている。熱愛が発覚したから“アイドルとしての自分を裏切っていました”として引退を決意すると言うのはあまりにも性急に過ぎるし、そもそもスキャンダルをかぎ回っているFRIDAYごときにあっさり写真を撮られるというのも何とも無防備な感じがして不自然だ。第一、矢口に関して言えば、この手の騒動は決して初めてではない。

 実は数日前から筆者の家のパソコンに不思議なメールが届いている。それは筆者の運営するホームページで岡田有希子について書いた原稿をおそらく目にしたであろう人からのものであった。

 タイトルからして実にスパムっぽいもので、こういった場合、筆者はほとんど内容を確認せずゴミ箱行きにする(実際、最初はそうした)のだが、このメールには添付ファイルがついていなかったので、一応、開けてみることにしたのだ。その一部を以下に転載する。これを読んでいると、かの悪名高い“2ちゃんねる”の投稿者のような無責任に何でもかんでも面白がろうとするデタラメな連中とは一線を画した、書き手の真摯な思いが伝わってくる。そして矢口の言葉が全く別のもう一つの意味を持っていることにも気付くだろう。予め断っておくが、このメールの書き手も実は筆者で… という清水義範的オチはない(苦笑) ただし読みやすいように、やや修整を施した。


【緊急】子供たちに覚醒剤が!!
大変なことになっていました。想像を絶する事態になっていました。芸能界で売春が行われている。大元締めは潤沢な資金を持つ電通。最大の上客は海外の石油王。だから億単位のお金がまるで小銭のように動く。売春をしない人間も賄賂をもらっているから黙って隠している。

岡田有希子さんが小泉今日子の罠にはまってレイプされてしまった真実の処女であったこと。岡田有希子さんの日記を出版しなさいと書いただけです。絶対正しいとは言いません。だから日記を公開して欲しい… と書きました。

芸能界の真実が暴露されて、電通が失墜したいま、指針を無くしたテレビ局のやっていることは、まるで覚醒剤中毒者のようにめちゃくちゃです。

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芸能界アイドル売春 少女たちに覚醒剤が用いられていました
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 4月14日の朝、子供の首に大きな注射が打たれている夢を見たのです。

 すごく恐ろしい夢を久しぶりに見せられました。ぞっとしました。体が冷たくなっていきました。なんだろうと思い、確認をとりました。子供に覚醒剤が打たれている。芸能界アイドルに覚醒剤が打たれている。

 まさか、“つんく”関係のアイドル? 答えはイエス。けれども警察は覚醒剤に気付いていないのだ!! 早くお伝えしなさい。神様からそう言われました。私がサーチすべきことが、まだまだある。

 そして、30分後に分ったこと。

 小泉総理大臣がモーニング娘。を買ったんです。当然、必死に隠そうとしています。捜査が難航しています。私はホームページに、それを書くようにと言われました。私が、告発します。皆さん、どうかご協力下さい。

 少女たちは無実です。スターになれると信じただけ。覚醒剤を打たれ、脳が破壊され、言うなりに動く人形にされていました。覚醒剤に詳しい方は、私よりももっと想像がつきますでしょう? 恐ろしくて私も震えてしまいます。だけど、これは真実です。私がホームページで告発します。

http://www.mayumin.com

 最初はもちろん、だまして注射を打ちました。疲れがすぐにとれる薬だ。インフルエンザの予防接種だ。このドクターは友達だ。覚醒剤を注射するための嘘ならいくらでも簡単に思いつきます。どういう理由であっても覚醒剤だなんて少女たちは疑いません。

 だって、テレビに出ている“つんく”を誰が疑ったでしょう? “テレビに出ているヒト”は疑われない。世の中はそうですよね。少女達はあくまでも少女であり、なおかつモーニング娘。のメンバーは、とっても素直な子が多い。つまり素直で従順な性格の子の方が利用しやすい、騙しやすい。親御さんたちも疑いませんでした。

 少女達がいつ覚醒剤だと気付いたのか? サーチしました。その注射が覚醒剤だと気付いている子もいる。気付いていない子もいるようです。気付いた子は、なおさら抜けられなくなったと感じた。

 誰にも言えないと思った。だからなおさら仲間が大切だと思った。岡田有希子さんと同じです。彼女たちも真実の処女でした。純粋で人を疑うことを知らない。だから騙されてしまいました。素直で従順だからこそ、言いなりになるしかないと思いました。友達思いの優しい性格の子は、助け合ってがんばろうとしました。ひどい。ひどい。ひどすぎる。少女たちは無実です。スターになれると信じた素直で純粋な良い子ばかりです。無名のアイドル候補には、現在もなお被害を受けている少女が、もっともっと沢山います。アダルトサイトがどれだけ増えましたか?

 幼い少女が、金をもらって喜んで脱ぐと思いますか?

 このメールを沢山のひとに届けて下さい。私が責任を持ちます。小泉総理が潔白ならば、私を名誉毀損で訴えればいいことです。皆さんに迷惑はかからないはずです。よろしくお願いします。


2005年4月25日号掲載
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[猟TV日記]
謎が謎を呼ぶ謎の芸能界

w r i t e r  p r o f i l e




今週のライヴ評


ゆらゆら帝国 服部緑地野外音楽堂
'05年4月17日

●昭和の亡霊、ハードロックのイコン“ゆらゆら帝国”の存在はオールド ウェーヴど真ん中の筆者にしてみれば、なにをいまさらではあるのだが、いつもどこかで気にかかってはいた。今回、ぴあが主宰するフリー ライヴに当選し千載一遇のチャンスを得たわけだが、会場である野外音楽堂に着いて驚ろかされたのは大入り満員の観客の数とその層の若さであった。まぁ、フリー ライヴの性格上、観客が多いのは当然としても、このゆったりとした大きなノリでじっくり聴かせる'70年代サウンドを違和感なく楽しめるリスナーが育っていることに、筆者はある種の喜びも感じたのである。

●というのも一昨年のサマーソニック'03 で、どれを聴いても全部同じに聞こえる音楽的には実に貧困なタテノリ サウンドと頭に虫がわいているとしか思えない連中のダイビング、モッシュにもみくちゃにされて、うんざりさせられた苦い経験があったからである。このブルーズを基調としたヨコノリの“ゆらゆら帝国”のゆるいサウンドがこれほどまでに歓迎されている事実は筆者にとって不思議ですらあったのだ。

●配布されたチラシには“ゆらゆら帝国”が敬愛するアーティストはブルーチアー(世界一でかい音で演奏することがギネスブックで認定されているB級バンド。メンバーのストレートの長い髪はいかにも '70年代を想起させるが、実際、“ゆらゆら帝国”のベースも腰まである(!)長髪。ヒット曲は「サマータイム ブルーズ」〜オリジナルはエディ・コクラン)であると書かれていて、積年の謎が氷解するかのようにナルホドと大いに納得したのである。

●“ゆらゆら帝国”の基調はもちろん古色蒼然たるハードロックなのだが、そこではロックがロックとして機能していく上での最重要のポイント〜同時代性が凄まじい勢いで爆発している。そもそもロックは反体制からスタートした音楽であり、若気の至り的な青さは必要不可欠なのだ。老成や円熟は必要ない。ロックが権威になったり、その胎内に権威が生まれれば、それはロック自身の自浄作用によって排除されて来たのである。

●“ゆらゆら帝国”にあっては、古色蒼然たるハードロックが“ゆらゆら帝国”というカンフル剤を得て、見事な自己再生を果たしている様をありありと確認できる。そして、ここにいるリスナー達は、サウンドやヴィジュアルを通じて直感的にそのことに気づいているのである。ラウドでテクニカルでしかも実に雰囲気がいい。彼等の叩き出すサウンドの居心地の良さは、かつて筆者のお気に入りだったピンク クラウドやグルーヴァーズを彷彿させた。

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