冒頭にも書いたが、2018年の紙ジャケ界は至って低調であった。
前年の2017年に、ジョージ、ポールという超大物の紙ジャケが出たこと、 また期待されたホワイトアルバムは超デラックスなボックスセットは出たものの、 庶民の味方である単品の紙ジャケは見送られてしまった。 （ていうか、元々そんな企画もなかったわけで・・・。）
各部門賞を見てもらっても分かると思うが、小粒である。 探検隊も悩んだ。 今年は「グランプリ対象なし」の苦渋の選択をせざるを得ないのか・・・。
悩みと苦汁。これが突破口となった。
「そうだよ！ティナも随分と悩んだはずさ。」
それなりに才能あって、作曲、アレンジもできるけど、 ＤＶなダンナのアイクとのコンビ＆夫婦生活を続けるべきか解消すべきか？
そんな抑圧＆苦悩が、ティアの爆発的なボーカルに転化、つまり“なんくるないさー化”されたのが、この時代の作品群なんだよ。（※リバティ〜ユナイテッド・アーティスツ時代ですね。）
「これだよ、これ！」
今の探検隊、いや、今の閉塞したどんづまりな日本を象徴するような異様な緊張感、そして、そこからエクソダスしようとする思考の跳躍を経て、2018グランプリは決まったのであった。
ちなみに、一番人気盤の「リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ」は、2012年にも、Ａ＆Ｍの50周年記念の「The 50th anniversary of A&M Records Foundation Since 1962」シリーズの１つとして紙ジャケ化されたことがある。
2012年版は、米国盤（ステレオ）を基にした復刻だが、今回の2018年版は、英国初回盤、英国ステレオ・ミックスのテープからの紙ジャケ化である。米国盤、英国盤で、ジャケも違うが、曲目も違うので2012年の紙ジャケと聴き比べてもらいたい。（残念ながら、今回もステレオ・ミックスなので、フィルの意図とは違うわけだがー。）
フィレスのこの作品だけが目立っているが、この時代のティナのボーカルは凄い。 これを機会に「リヴァー・ディープ〜」以外の作品も是非聴いてほしい。
なお、この時代の作品群を選んだからといって、探検隊がＤＶを容認しているわけではありません。念のため。

選考経過を見る→こちら（準備中）