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★★★第22回 2019年紙ジャケグランプリ★★★


この国も壊れかかっているが、
世界も相当なものだ。

誰もかも破れかぶれの この世界の片隅で
紙ジャケをコツコツ買い続ける探検隊は単なるマゾだが、
紙ジャケをしずしずとリリースし続けるメーカーの担当者さんは
現代のすずさんかもしれない。

清志郎は「世界が破滅するなんて嘘だろ」と叫び
「破壊せよ」とアイラーというか中上健次は言った。
ジョージ・クリントンは「ケツの穴をおっぴろげろ!
心を開放し、行くとこまで行っちまえー!」と若者を煽った。

こんな混沌とした、先の見えないこの時代には
鬼気迫るマイルスやコルトレーン、
ハーモロディクスで武装するオーネットとは位相の違う
今聴くと牧歌的かつ、妙になごんじゃう
フリーダム・サウンドだ!


GRAND PRIX 2019



ミューザック
「freedom - ROOTSシリーズ」
「freedom - BAGシリーズ」


総評

今回で22回目となった紙ジャケグランプリだが、この結果には、探検隊も驚いた。
紙ジャケグランプリでは、時折、下馬評を一瞬にして卓袱台返しする"降臨系"のグランプリ受賞がある。
例えば、2008年の岡林信康だったりするが、岡林の場合は、リーマンショックによる派遣村という時代背景もあり、後から考えると必然とも言えるものであった。
ところが、今回は、探検隊どころか、かのピーター・バラカンさんさえ初めて聴いたというシロモノである。事前予測も下馬評もあったものではない。
デヴィッド・ギルモアの紙ジャケコレクションが延期未定となったもの、後半はイタリア・プログレ、キーフの英国プログレでスパートをかけたソニー、ポールのライブ盤、ストーンズのレアジャケ&ベスト盤など、持ちネタの豊富なユニバーサル、レア・グルーブ系では他の追随を許さないPヴァイン、金子マリ&バックスバニーもいいねぇ〜などと、選考会の前まで隊員たちも思っていた。

人間は、時折、当人も思いもよらない選択をしてしまうことがあるという。前評判のよいもの、大手のプロダクツは、選ばれて当然という気持ちがあり、それに抗いたいという心理が働くものだ。決め手となったのは、第2弾で発売されたfreedom-BAGシリーズの「アンダー・ザ・サン」だった。
第1弾のマリオン・ブラウン、ポール・ブレイなどは、オリジナルジャケットでの復刻といっても、まあ、紙ジャケの復刻では当たり前のことで、特にぐっとくるものでもなかった。久々にマリオン・ブラウン聴いたけど、なんか新鮮だよねー、そだねーって程度のプチ感動レベルだったが、それは、ミューザックさんの罠だった。
第2弾のアンダー・ザ・サンのジャケをひっくり返し、ジャケ裏に封入されたピンクのレターを見た瞬間、探検隊のドーパミンが爆発的に放出された。マリオン・ブラウンを先に出し、後からバラカンさんもびっくりの激レアかつ紙ジャケ化の価値の高いアンダー・ザ・サンをさらりと出す、いや、ミューザックさんはサラリではなかったもしれないが、バラカンさんも初めてという激レア盤なだけに、情報皆無の探検隊は一撃にされたわけだ。

情報戦とは恐ろしいものだ。キーフの十字架ジャケ(ヘヴンね)は、紙ジャケ復刻としてはかなりの出来栄えのプロダクツだった。実際、ネット上で、パッケージ開封からはじまって、ジャケを次々に開き、十字架が完成するまでの様子を動画配信したため、探検隊も、おーっ、ソニーさん、リキはいっとるやんけーと期待したものだったが、実際に手にしたときの驚きはやや薄れてしまったのもかもしれない。そんな奴は、放っとけ!って話だが、実際のところは、ヘヴンの音楽がチープ過ぎて、選考会では、いやーあ、ジャケはいいんだけど、2度、3度と聴くのはつらいなーヘヴンちゃん、ということで、すんでのところでグランプリを逃してしまった。音楽とジャケのバランスはやはり重要というわけだ。スポンティニアス・オーヴァースロウも、本来は、真っ白なプレーン・ジャケットだったのに、わざわざ、再発盤のジャケで出したのはもったいなかった。プレーン・ジャケならグランプリだったかもしれないからだ。
今回のfreedomは、こんな取捨選択と空気感の中、満場一致で決定されたのだ。

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というわけで、今年はミューザックさんにトロフィーを贈呈
(予定です!)

トロフィーは、これからミューザックさんにお送りします。
ミューザックさん、近々怪しい宅配便が届くと思いますが、
危険物ではないので、是非お受け取り願います!



これが今回のトロフィー。去年と同じだが、値上がりしてた〜(爆)

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ROCK/POPS


部門賞
ソニー・ミュージックレーベルズ
「ソニーミュージック・プログレッシヴロック 紙ジャケットコレクション Vol.1 イタリアン・ロック編」、「同・VOL.2 ブリッティッシュ・ロック編」
(アレア、アルティ・エ・メスティエリ、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ、イエス、アラン・パーソンズ、ヘブンほか)

VOL.1 2019年6月5日発売 8W
VOL.2 2019年12月11日発売 9W
次点
ユニバーサル ミュージック
「ポール・マッカートニー SHM-CD/紙ジャケット再発シリーズ」
(ポール・マッカートニー)
2019年7月12日 4W
3位
ユニバーサル ミュージック
「ザ・ローリング・ストーンズ SHM-CD/紙ジャケット」
(ザ・ローリング・ストーンズ)
2019年5月22日 5W、2019年10月30日 2W
4位
アルカンジェロ(ディスクユニオン)
「トゥリド」
(トゥリド)
2019年12月18日 3W
5位
ユニバーサル ミュージック
「エルトン・ジョン SHM-CD/紙ジャケット・シリーズ」
(エルトン・ジョン)
2019年8月7日 13W
6位
ユニバーサル ミュージック
「ドン・マクリーン活動50周年記念 SHM-CD/紙ジャケット」
(ドン・マクリーン)
2019年4月24日 6W
6位
オールデイズ・レコード
「サンシャイン・スーパーマン」
(ドノヴァン)
2019年2月15日 1W
6位
ソニー・ミュージックレーベルズ
「ハリー・二ルソン『プシー・キャッツ 45周年記念盤』」
(ハリー・二ルソン)
2019年11月27日 1W
6位
スエザン・スタジオ
「ディー・テートリッヒェ・ドーリス」
(ディー・テートリッヒェ・ドーリス)
2019年1月28日 2W、2019年6月8日 2W
6位
ワサビ・レコード
「ハーヴェイ・マンデル」
(ハーヴェイ・マンデル)
2019年8月28日 3W
6位
ソニー・ミュージックレーベルズ
「シークレット・メッセージ35周年盤」
(エレクトリック・ライト・オーケストラ)
2019年11月27日 1W
6位
マーキー・インコーポレイティド
「キャタピラ SHM-CD/紙ジャケット」
(キャタピラ)
2019年2月25日 3W
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JAZZ

部門賞
ミューザック
「freedom - ROOTSシリーズ」
「freedom - BAGシリーズ」
(マリオン・ブラウン、ガトー・バルビエリ&ダラー・ブランド、ポール・ブレイ、ジュリアス・ヘンフィル、ヒューマン・アーツ・アンサンブル、オリヴァー・レイク)
2019年11月22日 3W、2019年12月11日 3W
次点
ワーナーミュージックジャパン
「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」
(リッキー・リー・ジョーンズ)
2019年4月24日 1W
3位

ユニバーサル ミュージック
「ドン・レンデル&イアン・カー・クインテット」
(ドン・レンデル&イアン・カー・クインテット)
2019年4月3日 5W
4位
B.J.L.×AWDR/LR2
「ATTACHED(未練)」
(菊地雅章)
2019年1月23日 1W
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SOUL & RARE GROOVE(旧 BLACK MUSIC部門、旧 SOUL/R&B部門)

部門賞
Pヴァイン
Groove-Diggersシリーズ
「オール・アバウト・マネー」
(スポンティニアス・オーヴァースロウ)
2019年3月6日 1W
次点
Pヴァイン
Groove-Diggersシリーズ
「FABLEレーベル」
(スタークロスト、フォーティー・セヴン・タイムス・イッツ・オウン・ウェイト、スティームヒート )
2019年7月17日 3W
3位
Pヴァイン
「アップタウン」
 (グローリア・バーンズ)
2019年3月20日 1W
4位
Pヴァイン
「ユー・キャン・フライ・オン・マイ・エアロプレーン」
(ウィー)
2019年4月17日 1W
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CLASSIC

部門賞
※対象作なし
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J-ROCK/POPS

部門賞
発売元:シンコーミュージック・エンタテインメント/
ソニー・ミュージックダイレクト
販売元:ブリッジ
「金子マリ&バックスバニー 完全復刻盤」
(金子マリ&バックスバニー)
2019年3月9日 4W
次点
発売元:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
販売元:タワーレコード
「岩崎宏美オリジナルLP紙ジャケット・コレクション」
(岩崎宏美)
2019年1月9日 7W、2019年03月27日 7W、
3位
発売元:日本コロンビア
販売元:タワーレコード
「タワー・レコード限定『NAOKO PREMIUM』紙ジャケットCD仕様」
(河合奈保子)
2019年9月25日 4W、2019年12月25日 9W
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ワールド/その他

部門賞
※対象作なし
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BOXだったで賞

WOWOWエンタテインメント
「クリムゾン・キングの宮殿 50周年記念エディション」
(キング・クリムゾン)
2019年11月20日 1W
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特典賞

※対象作なし
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選考を終えて

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